Christmas Seed
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2002年12月25日(水) |
ロード・オブ・ザ・リース |
ひとつの指輪はすべてを統べ、 ひとつの指輪はすべてを見つけ、 ひとつの指輪はすべてを捕えて、 くらやみのなかにつなぎとめる。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作 「指輪物語」の主題となる「ひとつの指輪」は 持主に世界を支配する力を与え、 その一方で持主の身を滅ぼす破滅の指輪です。 そのモデルはワーグナーのオペラで有名な「ニーベルンゲン・リング」。 手にした者に、地上の権力の全てと、死を与える指輪。
以前NHKで、北ヨーロッパに伝わる 「力の指輪」のイメージを辿る番組を放映していました。 番組では、ドイツ民話のニーベルンゲン・リングは 北欧神話の大神オーディンの持つ「環」に由来するとして、 生と死を司るオーディンへ捧げる生贄の儀式などを紹介した後、 ノルウェーの村の教会で信仰されている「リング」に辿り着きました。
キリスト教がようやく北の地に到達した時代の教会の壁に、 治癒力を持つと言うドアノッカーのような 木製の環が取り付けてありました。 これって、「リング」というよりは。 「リース」じゃないですか。
そうか。クリスマス・リースは循環する生と死、 光を待ち焦がれる北国で復活する冬至の太陽なんですね。 だからリースは人々の頭上にかかげられるんだ。 (ヨーロッパのアドベント・リースは天井からつるす)
すべてをくらやみのなかにつなぎとめた「環」は、 12月25日頃を過ぎると、ふたたびすべてを
ひかりのなかにときはなつ。
(ナルシア)
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