わらしべ女 …2003年04月25日(金)
ゲルマン民族剥き出しのワイマール様式漂うナチズム車、100万年周期で到来するデムパ受信期以外には開くことのない幌のついたフォルクスワーゲン社Cabrioコンバチブル通称東二号を手放しました。 思えば数年前。 新車でお買い上げてから事故率は憑かれたかのようにぐんぐん上がり、両親に「お祓いをした方がいいのでは…」と心配までされるザマでしたしたが彼らには大船に乗ったつもりでもう安心してほしい。 代わりにやってくる東三号はランドローヴァー。 本来なら俺のような最下層の足軽兵は労働階級御用達のフィッシュ&チップスを食しながら足を棒にしてブラジルへも歩いて行けという具合ですが、その俺がまるで女王陛下なランドローヴァーですしかも年内には米を去るというのに。
近所に夫はコルヴェット、嫁はランドローヴァーとブルジョワジーな中年夫婦が住んでおり、住居は3階建てのタウンハウスとその嫌味な金満ップリを余すことなく世間に向けて発信しておられるのですが、しばらく前から二台には「FOR SALE」のカードが掲げてあり、何事かと世間話のついでに伺ってみると夫妻は来月頭に地中海の爽やかな風が吹き付ける欧州へ移転、向こうに永住されるとのことで二台を手放すことに。 詳細を聞くと「お金? そういえば世の中にはそんなものもありましたね」的ヒエラルキー上層部特有のスノビズムがぷぷんと漂う高慢チキチキレースな態度でカストロの息子並みのスネカジリ駄目娘である年収ゼロ円の俺は眩暈がしましたっつうの。 とにかく金額はどうでもいいから早急に引き払いたいとのことで、成り行き商談の結果、俺の東二号をディーラーに売り払い、その売り値でランドローヴァーを譲っていただけることに相成りました。 東二号よりは確実に状態のいい、新車同然のランドローヴァーをアタイは一銭も損をすることなく嫁に迎えるのです。 もう怖いぐらいの幸運続きです、俺の癖に独車に続いて英車デスヨー。 ねぇヤヴァくなーい超ヤヴァくなーい!!?
今ごろになってランドローヴァーへ乗り換える表面上の建前としては「引越しの時に便利だから」、そうして「でかくて糞重いカンヴァスの運送が楽になるから」ですが建前はしょせん建前、壮大なアルペジオで始まる本音の序奏に過ぎないのです。 そう、俺は他人様に愛車は何かと聞かれてランドローヴァーと答えたかったの。 東たんの車カコイイですねと言われたかったの。 同時期に、知り合いが東二号よりは大きい、小国ウリナラが世界に誇るそもそもがエンブレムからしてホンダのバッタもの、ヒュンダイを売りに出していましたがベス(大英帝国女王陛下)に媚びを売るのが俺ニダ。
かようにしてアタイはランドローヴァー乗りになります。
御前等はせいぜい貧富の差に泪を流してください。