中野駅から線路沿いを歩いて帰る。寒くなった。なぜだろう。寒くなると、大学生の頃のことを思い出す。
好きだった人のことが本当に好きだったのにその人は自分のことを全く好きではなく、たとえば向かいに座って話していても、一緒に歩いていても、いつも行き着くところはどこにもなかった。それでも、別に良かった。毎日眠る前には涙が出た。寒かったからなのか。
先日、『めがね』という映画を見て私は泣いた。それは、あの時眠る前に流した涙と同じだったと思う。大人になって狂いそうだなんてことは思わないけれど、たまに狂ったらどうしよう、などと心配をしながらぼんやりと過ごしています。
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