手持ちのすべての仕事が一気にピークを迎えてしまい、どうしようもないことになっている。須賀敦子の全集2が出たから、電車に乗っているときだけ、ヴェネツィアの宿のことを考える。
先日は、1歳半の男の子に会いに行った。ぜんぜんなついてもらえなかった。母に「嫌われちゃったよ」と愚痴ったら、「よその人に簡単に心を許さないのは、家庭でちゃんと愛情を与えられている証拠よ」と言っていた。
金融業界の人を取材することが多い。複雑な仕事だ。私たちが大根やカレー粉を買うお金とは違うお金が、この世を牛耳っているらしい。本をつくるって、本当に単純な仕事だなと思う。両方とも、面白そうだ(面白い)と私は思う。
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