久しぶりの更新。 シアトルから帰ってきて、いきなりバイト四連続。 あーでも明日でひと段落だ。
今日は帰ってからの記憶が全く消えていて、 (恐るべしOL生活!) 目が覚めたら夜中の二時で雨が降っていた。
■TOGA-どろどろを曝け出すファッション
ファッションは結局、人間のごくごく表層をむなしく飾り立てるに過ぎない。 そう気付いてから、 あまりにそれにこだわっていた自分が馬鹿馬鹿しくなった。
ファッションという表現媒体を使って、 私達は簡単に嘘をつける。 コムデギャルソンの黒い服で固めたら、「自立した女性」が簡単に出来上がる。 グッチのスーツで業界人を気取ってみれば 皆の視線も変わるのだろうか。
「何ものからも自由である」というファッションの素晴らしさと それはすべて虚構に過ぎないというもろさは紙一重だ。
ファッションに意味を持たせようとすればするほど、 私の中には虚しさがつのった。 だから最近は、「衣服」としての快適さのみを追求した服を 自然と選ぶようになっていた。 長もちする服、つくりのしっかりした服。 着ていて気持ちの良い服。
前置きが長くなったが、そんな私にもう一度 「コミュニケーションとしてのファション」の素晴らしさ を思い出させてくれるブランドを見つけた。
昨日買った「装苑」のTOGAの記事を読んだことがきっかけだった。 デザイナーの古田泰子さんはインタビューで、 「女性のドロドロしたところを隠さずに出してい」る、 「生理があるのが女性」と語っている。
飾り立てず、包み隠さず自分を曝け出しながらも 「コミュニケーションとしてのファッション」が成立している。 着てみたい、と心底思った。 ブランドのコンセプトに共感して 服を選んだことは今までなかった、そういえば。
憧れや、なりたいイメージ、つくりの良さに対する感嘆。 服(デザイナー)はいつも私よりも先にあって 追い付こうと必死で だからこそ飾り立てた表層/中の汚い嫉妬や自意識とのギャップを いつも感じた。
「TOGAが私の等身大です」というのは畏れ多いが、 おかげさまでこれからもファッションを好きでいられるだろう。 高級品だからそう簡単に買えないけれど 秋冬に一枚は欲しいな。
<文化出版局のホームページ> http://books.bunka.ac.jp/
|