あずきの試写室

2003年08月25日(月) 「ベアーズ・キス」

孤独な少女の恋人は、ある晩人間に変身した熊だった。
というストーリーから
美女と野獣のような雰囲気を想像するとだいぶ違います。
どちらかというと
プーさんをカウリスマキ監督が撮ったらこんな感じかも(笑)違うか。

こぐまがとにかくかわいくて、
主人公の少女が抱き上げて連れていってしまうのわかるなあ。
なんて、それから巨大なくまになることは置いておいて。

14歳のローラを20歳のレベッカ・リリエベリが
演じているのですが、全然違和感ないのがすごい(笑)
ぐっと惹き付けるような眼差しとぼってりした唇がいいですね。
くまから人間に変身するミーシャを演じる
監督の息子セルゲイ・ボドロフJr.が
ハンサムというのでは、ちょっと違うけど
ぬっと立った雰囲気とか、太い眉と
そして地の底から聞こえてくるような低い声が
おお、くまが変身したら確かにこんな感じかも
なんて思ってしまった。

登場する人間は、みな個性的で
一般社会からははみ出した人々だけれど、
それだからこその哀切があって、
嫌な奴もいるけれど、憎めなかったりする。

ローラとミーシャが抱き合って(実際のくまと)
踊るシーンは、好き。
ローラのいとおしいと思う気持が
しみじみ伝わって来て。

おとぎ話のおしまいは
いつもハッピーエンドだけれど、
ボドロフJr.がこの映画の後事故で亡くなったことと
最後の画面が重なって、切なかった。


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