孤独な少女の恋人は、ある晩人間に変身した熊だった。 というストーリーから 美女と野獣のような雰囲気を想像するとだいぶ違います。 どちらかというと プーさんをカウリスマキ監督が撮ったらこんな感じかも(笑)違うか。
こぐまがとにかくかわいくて、 主人公の少女が抱き上げて連れていってしまうのわかるなあ。 なんて、それから巨大なくまになることは置いておいて。
14歳のローラを20歳のレベッカ・リリエベリが 演じているのですが、全然違和感ないのがすごい(笑) ぐっと惹き付けるような眼差しとぼってりした唇がいいですね。 くまから人間に変身するミーシャを演じる 監督の息子セルゲイ・ボドロフJr.が ハンサムというのでは、ちょっと違うけど ぬっと立った雰囲気とか、太い眉と そして地の底から聞こえてくるような低い声が おお、くまが変身したら確かにこんな感じかも なんて思ってしまった。
登場する人間は、みな個性的で 一般社会からははみ出した人々だけれど、 それだからこその哀切があって、 嫌な奴もいるけれど、憎めなかったりする。
ローラとミーシャが抱き合って(実際のくまと) 踊るシーンは、好き。 ローラのいとおしいと思う気持が しみじみ伝わって来て。
おとぎ話のおしまいは いつもハッピーエンドだけれど、 ボドロフJr.がこの映画の後事故で亡くなったことと 最後の画面が重なって、切なかった。
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