あずきの試写室

2003年08月20日(水) 番外編「目黒雅叙園特別企画」

江戸開府400年記念夏休み企画ということで
普段見ることのできない、目黒雅叙園内にある
有形文化財百段階段を見る企画に行ってきました。

実は以前「日本怪奇幻想 六之巻 奇っ怪建築見聞」で
紹介された文章を読んで、絶対に見てみたい!と
思っていたのでした。
昭和の竜宮城といわれた、贅を尽くした建物内。
1988年にこの百段階段があるエリアを残すのみで
ほとんどが取り壊されてしまったと
後から知った私は、うう。毎日電車で目黒を
この時期通っていたのにぃぃぃと歯噛みする思いでした。

でも、今日そのベールを脱いで、目の当たりに
出来ると思うと山手線車内でも
胸のときめきを(って恋愛じゃないって)♪

いざ入口からエレベーター(このエレベーターもすごい)で
4Fへ。そして、夢にまで見た百段階段が!
上る途中の踊り場の横から入る部屋がいくつか存在するのです。
まずその部屋のひとつひとつが、日本画家による絵で
天上から壁に至るまで彩られているのですが、
そのインパクトたるや、息をのむほど。
さらに、一部屋一部屋の障子の細工が、精巧で
こんなところまで、行き届いているとは。と驚くことしきり。

特に有名な「漁礁の間」たるや、柱の中にも
人物の彫刻が。この彫刻、確かに近くで見ると
かなり老朽化しているのですが、
なんだか話掛けてきそうなほど。
うっすら口を開けたまま、まるで柱の中で
息づいているようで、正直ちょっと怖いほど。

その他鏑木清方の絵で、うめつくされたような
「清方の間」もなかなかです。
個人的には「十畝の間」の障子と螺鈿細工がお気に入り。
でも、じゃあちょっと一泊してみたいかというと微妙(笑)

とにかく、現存する間だけ見ただけでも
一体どういう目的でつくったのかちょっと首をかしげそうなほど。
これは誰も真似できないぞ!というほどの
お金をかけてつくられた、真似の出来ない世界。
見ている人をくらくらさせて、惹き込ませてしまいそうな
ある意味夢(一瞬悪夢に近い極楽)のような世界。

もう想像以上にすごかったです。
建築物大好きな私には、満足の企画でありました。
いやあ。すごいぞ雅叙園。
また再会できる企画があったら絶対行きます。
といたくお気に入り(笑)

はっ。それにしても本来の映画日記は。。。
次の目標「ベアーズキス」渋谷単館。。。くう

蛇足
雅叙園で、あまりにも「千と千尋の神隠し」の湯屋に
似ている場所があったのですが、
モチーフになっていたそうです。
宮崎監督も気に入ったのですね。ふふ。


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