前の会社の
同じ部署だった女の子たちと久し振りに会った。

前期の営業目標のうちいくつかが未達で終わったと知った。
「支社長が飲んでる時に、真理子さんが３月までいてくれてたらって何度も言ってましたよ。」
「そうそう、あの人真理ちゃんのこと大好きだったから。」
「支社長が辞めた人に未練感じてたのって今まで見たこと無いよね。」
「係長もね、俺が強引に止めようとしたから反発して辞めちゃったんじゃないかとか今更思ったりするって。」
「期の途中で辞めちゃった人って結構悪く言われたりするもんなのに真理ちゃんは惜しまれててうらやましかった。」


それはどうかな、という感じ。
いたってどうにもならなかっただろうし。
会社は誰かが抜けても残った人で変わらずに組織は運営されていくもの。
何も変わらない。
一瞬抜けた穴でバランスが崩れても、
どうにかするのが上の人達の役目で。
それとも、「必要とされていた」などということに、喜ぶべきなのか。
そんな気持ちにはなれないけれど。
お世辞は、こころに響かない。
いないところでは、悪口だって言われているだろうと思うし。

辞めた事に後悔は全く無いけれど、
何だか一瞬複雑な気持ちになった。


「今年入った新卒の子にも、真理子さんに教育担当させたかったなぁって言ってましたよ。ただ数字上げるだけじゃなくて、接客するときの応対とか、電話応対もそうだし、凄く親身で丁寧で。あんなふうになって欲しいって私も言われました。」

あまり褒められても反応に困るけど、
素直にすこし嬉しかった。
でも教育は社員任せにすんなよお前もちゃんとやれと思う。


私は、お客様に信頼されたかった。
同じよーな会社・同じよーな商品がたくさんあるなかで、
お客様の方に選択肢はたくさんあるわけで、
その中で、私を選んで欲しかった。
担当者が私だから信頼できると思って欲しかった。
そう思って仕事をして、あとから数字がついてきた。
「ありがとう」と言ってくれる人
「あなただから信頼して任せたい」と言ってくれる人
そういうお客様のおかげでなんとか続けられたんだと思う。

「数字が全て」だと言う人はたくさんいた。
私はそういう人達に反論するために、数字を上げた。
数字が全てではないって言いたかったから。
もっと大切な事は他にあって、
その上に数字がつくられる。
仕事ができなくてそんな事言ってても負け犬の遠吠えだから、
私はちゃんとやってみせた。
でも、それは自己満足で、
結局その次に何がしたいのかは見えなかった。
繰り返しの時間の中で
そんな自分の中の理想や綺麗事だけでは
ずっとずっと続けていく事なんてできなかった。
自分が擦り減っていく音を感じた。
わかってくれる人はいない。そう思ってた。

数字を上げようと躍起になって、規定違反したりしてる男性社員を見て
哀れだと思った。
そんな事して何が欲しいんだろうと思った。

私のやり方が、正しかったなんて思ってない。
でも、間違っていたとも思わない。
いろんな考え方があるし、
数字さえ上げてれば何も言われないってのも事実。
私にも、やりたかったのにできなかった事はたくさんあって、
どうすればいいかわからなかったこともたくさんあって、
考えては沈んでばかりだった。
苦手な事は、たくさんあった。
難しい数字の事とかよくわかんなかったし、
後輩や、ころころ入れ替わる派遣さんの教育やフォローにはうんざりだったし、
（普通に派遣さんといえば事務のエキスパートみたいなイメージで少なくともある程度常識があって仕事にドライな割り切ってる。みたいな感じかもしれないけどうちの会社に来るのは一般企業に派遣するのが憚られるよーな社会人経験の無い子がほとんどで、良くて同業勤務経験ありとかそんな感じ。だから仕事の前に敬語とか一般常識から見てあげなきゃいけなくて輪をかけてうんざり度が増す。たまにちゃんとした子もいるんだけど。）
周りの人を巻き込んで盛り上げていくなんて事は上に求められてもできなくて、
私は淡々と自分の仕事を進めていくほうが合っていたから、
マネージャーになる話も何度も断って、
結局苦手な事は苦手なまま。
情けないと思う。
だからあまり偉そうなことは言えないんだよね。


社会人になってわかった事は、
「社会人とは自分が悪くなくても謝るのが仕事。」
みたいなこと。
でも、それすらできない人いっぱいいっぱい見てきたけど。
勉強にはなったのかな。


私がこれからやろうとしている事は、
今までやってきた事と全く違うけど
でも、無駄じゃなかったといつか思えるように
そんな風に進んでいきたいと思う。


昨日は友達と恵比寿でもつ鍋を食べた。（黄金屋）
季節外れの鍋はとても美味しかった。
帰りに、お土産にとキャンドルを１個もらえる。
私が選んだのはフレンチバニラ。

yuri ｜MAIL

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