3月2日の徹夜本会議以来、開かれていなかった財務金融委員会が久しぶりに開かれた。毎年この時期に審議される関税法改正は、2年前、私が繰り上げ当選をして初めて財務金融委員会で質問に立ったのがこれだったので、思い出深い。97年から2年間、関税局で課長補佐をしていて馴染みもあるので、毎年買って出ていて、今年で3年連続。他に関心を持っている議員がいないこともあり、今年も民主党の70分を私が全てつかうことになった。
14日に国会は正常化したはずだったのだが、与党の議会運営(委員会の開催日程など)の強引さに民主党は引き続き抵抗姿勢を示していて、審議拒否はしないという大原則の中、質問に立つが「通告はしない」という方針。
通常は、質問に立つときは、前日に担当省庁に、だいたいどのような質問をするか伝えるのが慣例になっているのだが、それを一切しないという方針。そうなると、担当省庁も事前に大臣の答弁を用意することが出来ない。専門的なやりとりは難しいので、私も、基本的なことで議論することにした。
今回の関税法改正における通関手続(輸出入の際の税関での手続き)の改正が、「日本版C-TPATの導入に向けて」ということを大上段に唱っているので、本家アメリカのC-TPAT(Custom-Trade Partnership against Terrorism。テロ防止に向けた税関と貿易関係者の協力)について聞いたら、尾身大臣は「そんな細かいことは、通告無しに答えられない」ときた。民主党筆頭理事の池田元久議員が怒って、委員会は一時中断。意図せず、私にとっては初めて審議を止めることになった。
アメリカの制度を導入するなら、アメリカのように「輸出は届出制」(日本は許可制)にして、取締りは輸入に特化すべき、というかねての持論を展開したら、大臣は「名前を借りただけで、中身は全く別物」とまで言ってしまった。あきれて、しばし絶句・・・
通告無しの質疑は、深い議論は難しいが、大臣の真の力量が露わとなるのでなかなか面白かった。