英国人の彼女
6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。

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2004年05月07日(金) お久しぶりです

ずいぶんご無沙汰しておりました。ダーリン(仮名)は日本を楽しんだようです。初めて食べた和食も日本酒も、旅館で着た浴衣もいたく気に入って、浴衣などはわざわざ仕立てたほどです。どこにでもある先進国の一つかと思っていたら、こんなにユニークな国だったなんて驚いた、日本人のような民族は世界中どこにもいない、と言っておりました。


京都でレンタカーを借りて、姫路−倉敷−高梁−吹屋−鞆の浦−尾道−津和野−萩−松江と回り、東京へ飛んで2日滞在、その後は電車で木曽の奈良井−妻籠−馬籠とめぐって、京都へ帰ってきました。西日本を旅行するのは、わたしも初めてだったのですが、のんびりしていていいですね。もう日本には古い町並みなどほとんど残っていないのかと思っていたのですが、けっこう保存されているところが多くて驚きました。

いろんなところへ行きましたが、一番のお勧めは岡山県の吹屋です。山間の小さな村で、車でしか行けないのですが、田舎の山道を走っていると不意に目の前にベンガラ色に染まった家が建ち並ぶその光景は圧巻でした。しっとりしたいい旅館がないのだけが残念。一泊して月の光の中をブラブラ歩く価値は十分にあると思うのですけれど。


東京や京都ではそんなことはありませんが、地方でお寿司やさんや小料理屋さんのカウンターに座っていると、隣に居合わせたおじさん達がお酒をおごってくれたり、我々が明日取るべき経路について店中で議論になったり、たぶんダーリン(仮名)が明らかに外国人だからだと思うのですが、なんだか暖かいなあ、日本人っていいなあ、と思いました。ダーリン(仮名)も、店先に商品が無造作に置かれていて、お店の人は奥に引っ込んじゃってて、でも誰もそれを盗んでいかない、という日本の風景に、「イギリスじゃ、こんなの一日で全部なくなってるよ」と感動しておりました。


えっと、実は将来のことや諸々を考えて、ダーリン(仮名)が帰る前日に話し合って、別れることにしたんですよ。で、まあ、それもあってしばらく日記を書く気力もなく、ぼんやりと過ごしていたんですけれど、先週末に電話がかかってきて、やっぱり別れたくない、と。お前どっちやねん、とムカっときましたけど、一瞬考える時間をちょうだい!!と言いそうになりましたけど、考えてもたぶん私が出す結論は同じなので、怒りにまかせてつまんないことを言ってもしょうがないと思い、やり直すことにしました。

確かに将来を考えるといつかは別れるのでは・・・という気がしますけれど、お互い愛し合っていれば、何とかなるのではないでしょうか(希望的観測)。わたしが学校も仕事も辞めてあなたと一緒に住む!というタイプなら、きっと何の問題もなかったのですけれど、どうしても、「え、だって、修士号くらい取っておきたいし」「せっかくいい会社に就職したし」「自分の能力の限界まで試してみたいし」「キャリアをつけて、海外に転職したいし」とか考えてしまうんですよね。今話題の『負け犬の遠吠え』という本を読んでいると、わたしは明らかに「30代、独身、子なし」の負け犬予備軍であると思います。結婚願望が明らかに強いのに、いざとなればいつも仕事を選んでしまう。そもそも3年前にプロポーズされたときに最貧民国勤務を選ばず家庭に入ることを選んでいれば、今頃子供の1人や2人いたかもしれないのに・・・。


とりあえず、次は夏休み2ヶ月丸々使って、最貧国へダーリン(仮名)に会いに行ってきます。最貧国へまた行くこと自体はちょっとうんざり感があるのですが、交通費全額出してくれるというし、隣の国を題材に修士論文を書いているので、まあフィールドワークも兼ねて。ついでにイエメンとか、まだ行ったことのない国に遊びに行ってこようかと思います。修論は大丈夫なのか、とやや不安なのですが、就職すれば2ヶ月も海外旅行するなんてあり得ないので、今のうちに楽しんでくるつもりです。



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