英国人の彼女 6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。
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今日は七夕なんですね。こちらには、七夕情緒のかけらもないもので、全く気がつきませんでした。日本は、そろそろ梅雨が明けて蒸し暑くなる頃だと思いますが、ここは今、寒くて寒くて、今日のスタッフミーティングの議題は、オフィスに電気ストーブを買おう!でした。
参事官曰く、「ほら、女性陣(この言い方がおじさんっぽい)なんて毛布かぶってるよ。風邪引いたらどうするの?会計、そこんとこなんとかならないの?」。ちなみに、女性館員Aはユニクロの毛布を体に巻いて出席、わたしはケニアのマサイ族の布を体に巻いて出席。だって寒いんですもの。ジャンプしてよジャンプ、とか言われますけど。
今週末からモザンビークです。南半球だし、やっぱり寒いのでしょうか。ビーチリゾート目的なんですが。
この週末は、ダーリン(仮名)もいないもので、ひたすらダラダラしていました。昼まで寝てみたり。こんなのすごく久しぶり。ここのところずっと読んでいたコリン・パウエルの自伝「マイ・アメリカン・ジャーニー」も、ようやく読み終わりました。コリン・パウエルの、バランス感覚がいいところと、極端に走りがちなアメリカの政府高官の中で、かなりまともな発言を繰り返しているところが好感度高くて、前からどういう人なんだろうと気になっていました。
自伝を読んでみて、特にアメリカの対外政策における目線が妥当なことに感銘を受けました。湾岸戦争についても、イラクに攻撃を加える目的は、クウェートとサウジアラビアの石油確保のため。ただしイランの脅威に対抗するためイラク政権の打倒までは目指さない、とされているところなど。これが「かわいそうなクウェート国民を助けるために人道的介入を行う」とか言われると、いきなりうさんくさくなるのですが、上記目的ならば、実に国際政治の理にかなっており、且つアメリカらしい、と思います。
うちのイギリス人外交官は、過度な民主主義促進派で、独裁者が国民を虐待しているような国には、積極的に軍事介入するべきだ、と考えているみたいなんですね。個人的には。彼もプロの外交官なので、対外的にはイギリス政府の方針通りの発言をしますけれど。
でもそういう民主主義促進って、ある意味宗教だと思うのですよ。それさえ達成すれば幸せになる、それ以外の方法では幸せになれない、と考えるあたり。わたしはマハティールの是非は別にして、それぞれの地域・国において、それぞれの価値観があっていいと思っているし、イスラムだって、キリスト教だって、王政だって、民主主義だって、選択肢の一つだと考えています。もちろん、イスラム国家や、王政、独裁政権の元では、「選択」という作業が、国民側に付随していないことが問題になるわけですが。
だからといって、独裁政権である、ということだけで、民主主義を旗にして他国に軍事的介入するのは合法でもなければ、政策としても弱い、と考えざるを得ません。このあたりは、いつも彼と議論になるところで、そうなると英語力&小さい頃から学校で鍛え上げられているディベート力で負けそうになるのですが、自国民が戦闘で犠牲になる可能性があっても軍事介入するには、やはり強力な国益が絡んでいるはずです。それを「人道的介入」などとオブラードに包んだ言い方をして、その能力のある国家が他国へ介入することは、国際社会の不安定化につながるのではないでしょうか。
もちろん、過去の「人道的介入の事例」に、人道目的が全くないとは言いません。人道目的且つ国益なのでしょう。しかしながら、「人道」が表に出ることで、国益部分が人目につかなくなっている気がするのです。人道的介入はある意味、形を変えただけの伝統的な主権侵害の側面も持ち合わせているのではないでしょうか。
ずいぶんパウエルから話がそれてしまいましたが。そんなことを今日は考えています。
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