short story


2006年06月08日(木)


「ボーダー」







大事なのは距離ではなく
境界線だと思う。
それは存在を個別化するために必要であるが
決して乗り越えられないものであってはならない。

僕らはその境界線が
一体どんなものかを知るべきだ。
越えるための通行証が
ある時は、言葉であったり
ある時は、優しさであったり
ある時は、沈黙であったりすることを知るべきだ。

境界線があるからこそ
僕らが抱き合った時
なんだかとてもぼんやりとした
なんだかとても確信に満ちた
なんだか温かな幸福感に包まれるんだということを
知るべきだ。





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日記才人