「ここへ」
空より道が明るく感じて次第に俯いて歩くようになる。目が開かなかったのは風のせいだろうか。雪より耳が冷たく感じてある時ふと立ち止まりそうになる。足跡が残らなかったのは風のせいだろうか。夜より心が暗く感じてどうしようもなく一人で。いつもいつだって風は運んで風はとどめる。ここへ。