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先の日曜、京料理屋の主人の誘いで、お麩屋(麩屋町にはなぜかない)でやるという「水の會(「お」はつきません。)」というのに夕刻行ってきた。この會は、京都の有名な料理屋・老舗Bar・麩屋などが集まり開いている。 麩屋(ふうや)は、屋号「麩嫁(ふうか、-仮名-」といい。府庁前畔にあって典型的な京町屋の佇まいである。ここの家前の15~6畳ほどの駐車場と、家の左右の空間を利用して、右側には子達のために金魚すくいが、左隣には、美山からの蕎麦の屋台、駐車場には、焼き鳥屋、お好み焼きでもちぢみでもない上等なクレープに似た具沢山焼き物。焼そば、肉の串焼きなどが出されている。 家の中は玄関奥、厨房 工場 居間、すべて解放されて、好きなところを見つけて、落ち着き、調達してきた食べ物と一緒に、酒屋にあるような大きなガラス張りの冷蔵庫ふたつにある、ビール・酒・ワイン・焼酎・他を勝手に好きなだけ飲んでもいい。最奥は特設立ち飲みバーが開かれ。まるで小村祭だった。 この食べ物を全て一流の料理屋の主人、店の板前が真剣に作っている。屋台の横には、「寸志」の箱があった。しかしこれは今回の會の主旨「ドイツ・トーデンドルフのシュロス(城)・ミツコに日本庭園を作る」のための寄付とされる。 一流が作ると、似たようなものでも祇園祭にでる屋台の、茶髪の兄ちゃん姉ちゃんのつくるものとは違う。 笹でくるんだ、こぶでしめた白身魚の寿司は、あまりの美味さにうなってしまった。大皿にてんこ盛りのてんぶら(薩摩揚げ)の中に入っていた、ごんぼのかりっとした歯触りにもうなった。美味い!! お麩をからっと油であげた突き出しもてんこ盛り、俵の赤飯、お稲荷さん。京壬生菜をちらし、梅酢であえた田舎蕎麦。 日本庭園を作ろうとしているのは、今日都外国語大学(きょうとがいこくごだいがく-仮名-)の、京都在住40年だかの独逸人教師(齢70超)で、画家でもある人。名前を裸出露麩(ラデロフ--仮名-)という。 お腹一杯になる頃、競売(オークション、各人持ち寄りのもの)がはじまった。売り上げはすべて日本庭園造園のために寄付される。漫画「釣りバカ日誌」の北見けんいちさん、俳優のタク(TVによく出るらしいけれど見ないから知らない。 注* 渡る世間は鬼ばかりに出ている人で角野卓造と言う人だそうです)さん、陶芸家の辻村史郎さんもオークションに参加、出品していた。 北見さんは骨董級の二眼のローライフレックスを出品していた。面白いもの、版画、絵画、肉筆チベット密教の曼陀羅画。銅の手打ち鍋、ワイン、鞄 などが出て、人気のないものには宝くじ10枚がつけられた。 音頭をとって、ハンマーを振るったのは、大徳寺真珠庵のなまぐ、ぢゃなかった住職で、ユーモアがあり、和気あいあいの内に終了した。都合全部で100万円になった。 一つ気になった事、アロハを来ている人が目立った。北見さん、タクさん、他、たん譚、全部同じ銘柄、波波寿(ぱぱす-仮名-)だった。おっさんの趣味は一緒らしい(そこいらの、同じブランドもの持って喜んでいるおねえちゃんと基本的に変わらん)。 こういう集いにさりげなく*越後上布の薄物で現れたら、これ以上の伊達ぶり(ダンディズム)はないと思う。ま、これは夢物語だが。 *小千谷縮でなら出来そうだ。 *越後上布(重要無形文化財) …苧麻(ちょま)の茎の皮を剥ぎ、晒して、幾行程をへ、一本の繊維にして、さらに手で一本一本つないで糸にする。約1000万円(仕立代別) 小千谷縮 …新潟小千谷市で生産 しぼ'(皺状の凸凹)のある麻織物 高級スーツ一着分で買える。
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