目次 |過去 |未来
国連決議を待とう、国連の査察を継続…、国連で戦争回避?…。 これを見ていると、国連はまるで戦争をしないように働いている組織のような、平和団体のような錯覚がある。そうだろうか? 国連とは、第二次大戦中、日独伊(を枢軸国と言った)と戦った「連合国(The United Nations )」をいう。これからも解るように。「国連」は「連合国」という軍事同盟から生まれたものだ。世界連邦や恒久平和を目指しているというのは幻想である。 1945年4月に国連憲章(連合国憲章)を作るために、連合国(米ソ英中)は各国に参加招請状を出した。参加条件は「1945年3月1日までに枢軸国(日独伊)に宣戦布告をした国」という条件が付けられていた。この時、枢軸国(政治的活動の中心国)の日独は戦っていた。だから、あわてて枢軸国に宣戦布告したりした国もあった。中立を国是としているスイスが対象外なのは当然だろう。 だから国連は、枢軸国に宣戦布告した「国際連合国」 というのが本来なのだが、それが解るのを嫌ってか、日本では「国連」とした。そうするとあら不思議! 平和のために世界が集まっているような錯覚に陥る。 多く日本人は思っているだろう。 そこでさらに追い打ちの一撃。 国連が平等でないことは、成り立ちから枢軸国に対してできた連合だからあきらかで、中心五大国(中ロ米英仏)は、拒否権を持つが、それに反して、当時の枢軸国(日伊独)に対しては国連憲章の「敵国条項」と呼ばれる第107条で縛っている。 第107条…この憲章のいかなる規定も、第2次世界戦争 中に、この憲章の署名国の敵であった国(日本やドイツ)に 関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦 争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排 除するものではない。 これからすると、日本への、北朝鮮のミサイル威嚇も許されることになる。 また国連は平和裡に手を打つ組織ではない。ちゃんと、第42条に「国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍、陸軍の行動をとること ができる。」と、武力行使を認めて、絶対戦争反対の平和組織ではない事がわかる。それに発足当初、独自軍隊を持つことも検討されていたが、米ソ冷戦中の事で、共同軍事行動など不可能であったことから見送られた。 国連憲章は、各国の個別的自衛権(国家グループでの同盟関係…NATOや日米安保)と、集団的自衛権を認めている。 国連は、主権国家を認め、その間の調停を目的とした機関なのであって、何か世界連邦的なものの為の期間ではないのだ。 我が国日本は、国連の、主要五カ国中二カ国、中・旧ソ(現ロシア)の多大な援助国である。自立できていない国が主要国に二国有り、経済大国で自立した国が国連の敵国である。 この「敵国条項」を破棄しようとすれば、憲章を変えねばならない。そうすると各国が修正要求を次々出してきて、憲章自体が崩壊してしまう。だからいまだに、この107条を日本国政府が撤回せよという、要求をしているにも関わらず、国連は出来ないでいる。国連は矛盾の上に成り立っている組織で、それは当の米国が一番良く知っている。 イラク問題の後、米国は国連の主要国からフランスをはずし、日本とインドを入れようとする話も今でている。そうすると泣いて頼んで入れてもらったフランスはどうするのだろうか? どちらにしても今の国連は矛盾に満ちている。 そんな国連を、世論は金科玉条として決議を待っている。