目次|過去|未来
夜十時、年越し蕎麦を打つ。ちょっと寒いけれど、裏庭の引き戸を開け放ち、音のでるものを消す。永観堂と真如堂の鐘が交互に聞こえる。除夜の鐘を聞きながら、今日は奮発して、ピンクのシャンパーニュを飲みながら新年を迎える。 御節(おせち)をつまみながら、ぼんやりと過ごした。この大晦日から元旦の未明が一年で唯一、しみじみ出来る不思議な時間帯である。 深夜一時過ぎ若王子神社に初詣。奇遇なことに、京都大学の学生だった頃から毎年初詣に来ているというA君と再会。A君は現在、神戸で原子力関係の仕事をしている。 一度などは家に招いて、自家製の麦酒と、馳走をふるまった事もあった。それから後、二三年、年賀のやりとりがあったが何時とはなしに疎遠になっていた。それが、今回、子供が三人、弟君の子供三人それに母上と、にぎやかに若王子神社に初詣に来ていた。もう最初に会ってから10年が過ぎているという。光陰矢の如しである。また来年の深夜一時頃の再開を約束して、彼等は神戸に帰っていった。 若王子神社の前のたき火は、毎年焚かれて、今日は、その火で焼いた焼き芋をご馳走になった。
御神籤(おみくじ)曰く
晴れ渡る 月の光に うれしくも 行手の道の さやかなりけり だそうだ。 本年は小吉。
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