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2002年12月15日(日) プロヴァンスのハーブで



 先日、南仏マルセイユ近くの山から採ってきた、ローズマリー(奥プロヴァンスにはこれとそっくりだが背丈15.6センチくらいのタイムがあって、それと長い間同じ物だと思っていた。タイムは十数種ある)を持って、フランス料理屋「ルラシオン」に行ってそれを使って肉を焼いてもらった。
ここの主菜のサーロイン肉は250gくらいある。
食べる側も、強靱な顎と、でかい胃袋が必要だ。これが出てきたら普通の人はあっと驚くだろう。日本産の柔やわの肉で慣れている人は、これを食べると多分へとへとになる。前菜の温泉卵とウニに、コンソメのゼリー寄せもとても美味しい。信じられないことにあっと驚くほど安い。
 ローズマリーは本来羊肉に使うようだが、ほんのりと薫る野生のローズマリーは、今回のあまり恵まれなかった旅の気休めにはなった。

 前日に、二十代の若者が突然切れるという現象を目の前で見て、気分が良くなかったのだが、今世間で問題にされている事が、具体的に初めてどういうことが二三十代に起こっているのか目の前で経験した。

 自分の思い通りにならならなかったり、他人に注意されるとかちんと来るらしいのである。そしてそれを途中の会話なしに一挙に爆発させて、時と場所を選ばないのだ。これには驚いた。これが料理屋の店内でおこったのだ。客ではない。そこの店員がである。
ま、そういうところは二度と行かなければ良い話である。

 もう忘却の彼方に押しやられようとしているけれど、フランスで女を殺して食べた佐川一政が何かで書いていたが、今の日本の若者は、短絡して人を殺めた(行動を起こしてしまった)後、警察で必ずと言っていいほど、皆泣き崩れるというのだ。今回もそれと同じ現象を見た。
その店員はその後、泣いた!
もうこうなるとこちらは理解できない。何なんだ?

 というような事があったのだけれど、気に入っている料理屋で幸せに美味しい物を食っていると、それもどっかにいってしまった。
最近は画商さんの集まりで「ロートレックの料理」を再現したようだ。なかなかこの大変なときに面白いことをやっている。赤字だったらしい。

   *ルラシオン(堺町・姉小路角南西)
   「上のサーロインのコースは三千円位だった。コースは二種類のみ」












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