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2002年03月29日(金) 産経抄と天声人語



 展覧会の会期中たまった新聞を読む。本日の産経抄から、
有本恵子さんの北朝鮮拉致をはじめ、他にも関与した、新しい証言が続々元スナック店主・八尾恵証人から出ている。
昭和63年、すでに産経は「彼女が、北朝鮮工作員と接触」という報道をしている。その記事を八尾さんは「虚偽の記事内容で名誉を傷つけられた」と訴訟をおこし、横浜地裁は、産経に百十万円の支払いを命じ、平成七年十月、控訴中に和解が成立、八尾さんは請求放棄、産経は「おわび」を掲載した。

「和解に応じたのは、新聞記者の倫理としてニュース源を秘匿せねばならなかったからである」と産経は言っている。ニュース源が守られなければ、誰も情報提供してくれないだろう。そのことで、へたをすれば世間的に新聞社の信用が無くなっていたかもしれない。だが、産経は情報源を守るために和解した。鈴木宗男のムネオハウスも他社に先駆け去年の6月だったかに記事にしている。が、かなしいかな圧倒的に部数が少ない。

一方本日の朝日新聞天声人語
原爆を広島に落とした「エノラ・ゲイ」の副機長だったR・ルイス氏の手記が27日ニューヨークのクリスティーズで競売にかけられ、35万ドルで落札された。それに関してのコラム。

◆ 45年8月6日未明の出撃から時間を追ってつづる。原爆投下直後のことは「私たちは一体何人を殺したのか? 正直いって、語る言葉が見つからない。神よ私たちは何ということをしてしまったのか」。
という記述に関してコラムは、
「手記から見る限り、快哉の叫びではなかった。ルイス氏は、その後も悩み続けたらしい。しかし皆が彼のようではなかった。「眠れない夜などなかった」と語る当時の機長P・ティベッツ氏は「やるべきことをやった」と主張し続ける」

と書いている。これは何が言いたいのだろう?一見、両方の意見があって、バランスをとっているつもりなのか?
このコラムからは何にも伝わってこない。副操縦士が心傷んだのは、戦時国際法にも反する行為、すなわち一般の市民の住居する中心地へ原爆を落とすという行為に心が痛んだのだろう。まちがって伝えられている真珠湾攻撃だって、一般の居住区にあやまって被弾した所はあるけれど、軍事施設しか攻撃していない。
このコラムではっきり無辜の市民(戦闘行為をしていない)を殺したと言えば、すっきりわかるのに、朝日は前提が「日本が悪いことをした」と日頃主張し、刷り込まれているので、なんだかあやふやなコラムになってしまうのだ。
産経と好対照である。










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