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昨日、宝ヶ池国際会議場であった、第三回世界水フォーラムの前年催しに行ってきた。作家で日本財団の曾野綾子さんが講演されるのを知ったからだ。開始は市長の挨拶、その後、白川辺りの粟田小学校の生徒四人が出て、川に入っての清掃作業の報告などをした。終わったら、桝本市長が駆け寄って「感動しました!」 始まって十分近くで、そんなに気持ちがたかぶってどうする。まだこの会議は四時間近くもあるのだ。それに、この台詞どかこで聞いたなぁと思いきや、なんだ、小泉首相が「怪我をおしてよくがんばった、感動した!」と貴の花にいったあれと同じだった。 水を大切には言わずもがなだと思うが、それと、市長の言う、「来年は人権の年でもある…??」なんじゃそりゃぁ! 途端にこの会議が怪しくなってしらけてしまった。「地球に、環境にやさしく??」
こりゃあかんわ!で、なんでこんな考えの下に曾野綾子さんが講演するのか、一瞬不可解だったのだが、講演が始まって、「私の講演はこの会の趣旨をひっくり返してしまうかもしれないが」と、ぼそっとおっしゃった。
来年開かれる水会議において、やさしいと言う言葉は使わない方がいいと言った。サウジ・アフガンの話がで、川は枯河で、掃除なんかしたくても出来ない環境のところが殆どで、河川に恵まれているのは一部の国だけで、特に日本は特殊な国ですともいった。
アメリカが目の色変えて探している、ビン・ラディン(ビンは息子という意、すなわちラディンの息子、レオナルドダヴィンチも、ヴィンチ村のレオナルドと言う意で、苗字はない)はどこにいるか?簡単である。水のそばにいるという。そういう国から日本に来た人の水に対しての素朴な質問、「飲める水で体を洗って良いのですか?」これほど日本人と世界の水への感覚は違う。トイレも同じ水で流している。先のアフガンでビン・ラディンはどうしているか?紙なんてものはない。勿論、水洗なんてとんでもない。用を足した後、大抵はそのままか、付近の石ころで拭く。 こういう環境の人を交えての来年の水会議は果たしてうまく行くか案じているといった。 これまた、時間のある人達が作り出した行事だろう。何でも自分達の問題を世界にまで広げてしまい、同一化しようとする。開いてみれば、あまりの認識の違いにあたふたしてしまう。曾野さんはその事に暗に釘を刺したのだ。日本は特殊だと重ねて言う。
遊牧民は移動していく民だから二度と同じ場所に戻らない。だから全身に財産を身につけ動く、その民が時折、金持ちに現金を無心にくる。その一人が腕に金のブレスレットを一つしている。見ていると金持ちは日本円で50円ほどを恵んだ。数日後、今度は別の金のブレスレットを5つしている人が来た。その金持ちは前に恵んだ数倍の金を恵んだ。 不思議がって聞くと、その人の格に応じて恵まなければならないという。日本人ならそんなに財産があるなら、少しでいいじゃないかと思わないか? 事程左様に価値観の違う日本人、それが世界水会議をやる。
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