■TRASH■

2002年02月09日(土) エンピツという宇宙

空を見上げる。
シリウスが綺麗だ。
すぐそばにはふたご座。

きらきら瞬いているのが恒星で、それと同じくらい明るいけれど、じっと見つめていてもその光を揺らめかさないそれは惑星なんだそうだ。
木星・火星。
遠くの星。

何十万年も立てば、今見ているオリオンはばらばらになり、別の星座を作っていることだろう。
そもそも空から続く宇宙を往けば、やはりオリオンと認識できるものはないし、その星の元につけば輝きは残像で、存在自体がなくなっているものもあるだろう。

それでも、あふれ返る満天の星。
排気と塵に阻まれて届かない星もある。
その中から、それと判断してみることの出来るすばらしさ。

例え今見ている輝きが、何日・何年・何万年前の光であろうとも。
星そのものではなくても。
星が自分のことを知らなくても。

光の分だけ闇夜は明るくて、輝きの分だけ星座を作ることが出来て、瞬きの分だけ一人じゃないことを知る。

一つの星がなくなったことは悲しいことだけれども、その揺らめきで闇夜に愛すべきものがあるということを教えてもらったことはいつまでもこの心に残っていく。

それになくなったかどうかなんて、わたし達には判断出来るものじゃなくて。
すでに季節に移ろい行く星達を知っている。
なくなったのではなく、見えなくなっただけだと信じることも出来る。

周期が合わなくて、二度と見ることの出来ない光だとしても、それでもいつか出会えたなら、その光であることがわかる筈。
満天の星の中に。

あらゆる星の中の特別な輝きとして。


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