■TRASH■

2001年10月01日(月) 雨降る日

今日は雨だった。

雨は好きだ。

ほつほつと屋根打つ音を聞いたり、
けぶるような、ぼんやりとした光の中に見える軌跡を見たり、
跳ね上がるしぶきに地面が白く波打つ中を、冷たくしみる靴と役に立たない傘で途方にくれながら走るのも好きだ。

でも、今一緒に仕事している人にはかなわなかった。
彼は派手なYシャツを着こなす、どこかホスト系の香り漂うナイスガイ。
いつも笑顔を絶やさず、趣味が広いため、話題に事欠かないそいつは、

「最近傘持たないんですよ」

いつものにこにこ顔で、昼の食事時間、まるで雨の存在なんてないかのように普通に歩いていた。
指し出す傘もにこにこ断り、小走りになるでもなく、背をかがめることもなく、いつも通り歩く彼を見て、思わず雨の存在を確認してしまう。

なんか、単純にすごいと思ってしまった。
もちろん普通は、その後のこと考えちゃうのに。

マネしたいとは思わないけど、考えもしないことをされたことによる尊敬。
そういう考えもあるんだー。
いや、マネしたくないけど(^-^;)

でも、なんか、かっこいいと思ったのでした。
うん、今日君と仕事できて良かった。
昨日でも明日でもなく、雨が振って、傘がない君がいる今日。

なんかまた、雨が少し好きになったのでした。


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