わたくしといふ現象は 假定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体)
ああ、今ならその言葉がよくわかるかもしれない。
電球という形自体に意味などなく、そこを照らす明かりに意味があるのであって。 だから、限定的な意味のわたしなどあるわけもなく、己を求めようとして、常に霧散して消えていく光を捉えることができるわけもない。 ただぼんやりとした、確固とはいえない何かを誰かに見てもらうだけだ。
うん、本当だね。 電球は壊れて、光が残る。 わたしという物自体は、残ることはないのだ。最初からないんだから。 そこからあふれた幾億ものわたしのかけらを見た者が、残像のように残るわたしという形の記憶を作るのだ。
この体の中で、明滅を繰り返す、有と無の連なり。 わたしたちは、すでに、0と1の信号であらゆるものが表現できると知っている。
そしてわたしは、すべての信号が0になったときの帰る場所を知っている。 あらゆる透明な幽霊の複合体。 でもあなたは何で知ったのですか? そこへは、銀河ステーションから行くのでしょうか?
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