夕方のこと。梨奈と近所の子どもたちが裏庭で遅くまで遊んでいたが、遅くといっても午後8時半を過ぎてももうすぐしたら日が沈むかな、という明るさだ。
外に出てふと空を見上げると、そんなにはっきりとはいかないものの、端から端まで目をやれる大きな虹が出ていた。
このところ曇りがちだが、夕日も雲に覆われているものの、夕日が照らした雲はオレンジ色に染まっている。こんなはっきりとした強い色のオレンジは見たことがあるだろうか、というぐらい幻想的だった。
西の空はオレンジからだんだんピンク色になり、その色も次第に消えていった。
夕日が沈むのを待たないうちに蛍が舞い始めて、薄暗くなってくる中で新たな色を見せてくれた。
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