オクラホマ・スティルウォーターから

2004年02月23日(月) 安全な国は?

 昨日公園から帰った後、ネジャーティは学校に行き、そんなに遅くない時間に帰ってきたのだが、学校で読んだ記事が気になったらしい。それはこれからの20年の世界情勢、という話題としてはお堅いものだったのだが、一つは温暖化でイギリスがとても寒くなって、オランダの3分の1の国土が水面下になって(でも堤防を高くしたらいいのかな?)、世界的にも(今より)飢餓に苦しむ国が増えて、争いが起こるとか、インドも国内での紛争でいくつかの地域に分かれるとか、自国の自衛のためにイラン、北朝鮮、日本が核武装するとかなどの内容で、ネジャーティは住みやすい国として残るのはどこだろう、といってカナダを挙げていた。あとはオーストラリアかなと言ったら、オーストラリアは島だよ、と言う。→でも一応大陸なんだけど・・・。

 日本が自衛のために核武装するっていうのは日本人としてははずれとしたい。いくら技術を持っていても、絶対に核武装してはいけないと強く思っているし、国が軍事利用するようなことはしないだろうと思っている。でも国民がいくらそう思っていても、政府がそこまで信頼できるものなのか、という疑問がある。

 Foreign Affairsという国際関係のジャーナルでも、去年の年末に日本のナショナリズムの台頭を懸念した記事が出ていた。本屋で見かけただけなので全部を読んだわけではないが、石原知事が名指しされているぐらいで、著者によるとアメリカは日本のナショナリズムの台頭を見過ごしてはいけない、というような感じで書いていた。

 政府首脳の中では核武装に関して誤解を生むようなあいまいな表現をしてマスコミに突っ込まれていたが、核武装はしないと言い切らないと必ず誤解を生むと思うし、核武装に反対しているわけではないと思われても仕方がない。というより、反対ではないと思っている政治家がいると思っている。

 大学時代のゼミの先生は金融の専門だったが、日本が、核を積み込んだ偵察衛星を打ち上げることに賛成しているようなことを大学祭の基調講演で話したぐらい時代錯誤の考えの持ち主で、この先生のエリート思考からの発言で、私の中で不信感が生まれ、院に入ってゼミを変えることに至ったのだが、おそらく首脳陣でもこういった考えをする人がいないとは限らない。

 核兵器が作れる技術はあっても、それを軍事利用してはいけないと思っているが、これが片思いであってはいけないと思う。政府が軍事利用しないようにしっかり監視していないといけないと思う。知らず知らずのうちに日本が太平洋戦争へ突入していったと言われるように、少しの流れというのは人々も大したものと思わないが、沢の水が洪水となった時に、その流れが大きくなって気が付いたときには誰も止められなくなった、というのはとても恐ろしいと思う。


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