オクラホマ・スティルウォーターから

2002年09月17日(火) 日朝首脳会談

 朝、アパートの芝生に渡り鳥の雁が来ているのが見えた。ネジャーティを送って帰ってきてからもいたので、食パンをやることにした。

 雁は人に馴れているのか、すぐ近くによってきて、パンを待っている。梨奈は最初怖がって私の後ろに隠れていたが、そのうちパンをちぎってやったり、直接雁にやったりしている。

 パンが無くなって家に帰ろうと歩いていたら、雁が歩いて追いかけてくる。飛んで追いかけてこないのがましだったが、「来てる、来てる〜!」とキャーキャー言いながら、家に帰った。

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 ところで、テレビも新聞も無いので、日本のことを知るのにインターネットが頼りだ。

 日朝首脳会談がどうなったかとても気になったので、インターネットでニュースを読んだ。今までの強硬路線とは違って、すんなり拉致の問題も認めたが、拉致された人の多くが亡くなっていたというのにはショックとしか言いようが無かった。

 おそらく多くの日本人は拉致された人は生きているという前提でしか考えていなかっただろうし、私もまさか亡くなっているなんて思いもしなかった。ご家族のことを思うと、胸がつぶれる思いになり、読む記事、読む記事、涙を誘う。

 北朝鮮も、国際社会からはもちろん、国内の経済がだいぶ追い込まれたんだろうと推測できる。国内の経済では財政の4分の1が軍事に使われていると聞いたことがある。人々の、その日その日の食事より、強国であることを国際社会に見せつける面子の方が大事なのだろうか。

 中国に逃げた子供たちのドキュメンタリーで、自分の国を思い出して歌った歌に「〜の父」とあって、子供が「何が〜の父だ。自分たちに何をしてくれたんだ」とつぶやいていたのを思い出す。子供は正直だ。
         
 食を減らしても、国のためなんだと我慢している人々。戦時中の日本人の姿と重なる。

 戦時中、ラジオと新聞が情報源だったが、今の北朝鮮はそれにテレビが加わっただけなのだろう。インターネットで世界がつながっているなんてことを知ったら、人々は驚嘆するだろう。

 拉致されて亡くなったとされている方々が本当に亡くなっているのかと信じがたく、安否の確認が間違いであってほしいと思うばかりだ。そして拉致された方が本当に一日も早く日本に帰れるよう祈りたい。


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