オクラホマ・スティルウォーターから

2002年02月05日(火) 方言

 インターネットで、室町以来の関西弁が若者の間で使われていないというニュースを見た。それは「〜なんだ」という否定形の言葉である。

 「〜なんだ」の使い方でふっと真っ先に思い浮かぶのは「知らなんだ」で、「知らなかった」という意味である。うちの父は根っからの大阪人なので当然使っているし、父としゃべってると自分もつられて使ってるときがあるが、友達同士で使っているかどうか疑問である。「〜なんだ」は古くさい言葉に聞こえて、少し上の世代は使っているが、たしかに若い人は使わない言葉だ。

 それだけではない。漫才師や落語家や、少し上の世代が使っていても、自分の世代では使わないなあという関西弁は確かにある。特に大阪で使われる「〜でっしゃろ(〜でしょう)」とか、「〜や、おまへんなあ(〜じゃないですね)」とかは使わない。

 関西弁には「〜なんだ」以外にも、古語がちょこちょこと残っていて、標準語にはないが「よう+否定形」という言い方がある。これは西日本には見られると思うのだが、「とても〜できない」という意味である。これは「え+〜ず」という古文で習う否定形の名残だそうだ。「そんなところ、一人でよう行かん」というと、「そんなところ一人では到底行けない」というような意味だし、「そんなん、ようせん」というと「そんなこと、自分にはできない」というような意味になる。

 室町以来の言葉が使われなくなってしまうのはもったいない気がするが、かといって、無理して使うものおかしいかな。時代の流れだから仕方がないのかもしれないという気もする。




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