夜、洗濯物を干すために外へ出た。すごくいい花の匂いがただよってきた。この匂いを嗅ぐとなぜか雨上りの夜道を思い出す。まだ車に乗っていなかった頃。この匂いを嗅ぎながら家路に着いたっけ。自宅の庭から漂ってくる匂いではない。でも、庭の想い出の一つとして、この匂いは存在する。勤めていた職場の駐車場でもよくこの匂いが漂っていた。同僚とお喋りしながら車に乗り込む少しの時間。この匂いを楽しんでいた。今は思い出すだけ。胸いっぱいにその匂いを吸い込んで、中に入った。