2004年12月04日(土)
 『本能』 椎名林檎 (ひとりごと)

話せば気が済むとか、書くと気が済むって、あるよね?

私の場合、それはとっても顕著で、
前はたくさん書いてた日記がとんと書けないのは、
最近は身近にサッカー好きがたっくさんいて、あちこちで
喋っちゃうとそれで気が済んじゃうんだよね〜(苦笑)
あちこちじゃなくても、ひとりに話して伝わればそれで十分だし。


更に、私は喋るようにいろんな場所にいろんな言葉を書き散らかしていた。
テレビをみている時、その辺にある紙に意味のあるなし関係なしに、
いつの間にかなんか書いてる。ほぼ無意識みたいな状態で。

電話で話している時なんかも、すごい勢いで落書きする。
喋ったことそのまんまだったり、
逆に思ったけれど、本人に言えなかったこととか言ったらまずいこととか(苦笑

で、書くと、言わないでいられたりする。
それでわりと気が済む。
私の言葉は感覚的で辛辣だから、話したいんだけど話をするのが怖いのもあるし。
できることなら話をしないでいたい時とかある。
いつの間にか誰かを傷付けていたりするんだもの。


何度も日記に家出少女だった話は出てくるけれど、
子供の頃からこういう気質だったらしくて、なんかあると家出の計画を立てて、
立ててると気がすんで、とりあえず今夜は遅いから一晩寝て、続きは明日〜
って、翌日にはすっかり忘れていたり(笑)


そんな高校生だったある日、父親が突然学校にきた。
ノックが聞こえて教室のドアが急に開いて、そこに立ってるのはお父さん。
担任が歩み寄って(ちょうど担任の授業中だったの)ドアのところで二言三言
すごい身近なひとの不幸かとどきどきしながら席に座ってみていた私を
担任はちらっと指さした。その時お父さんは、すっごい妙な顔をした。
先生に呼ばれて廊下に出てお父さんと話す。なんかこう、噛み合わない会話。

「お前朝から学校にきていたのか?」
「???うん。」
「今日はまっすぐ帰ってきなさい」
「???はーい」

・・・そしてお父さんは帰っていった。
心配した友達に聞かれても私にもなんだかさっぱり判らない。
家に帰ったら、家族総出で茶の間に集まっていて、まずは父恒例(?)の
「×××(名前)、ここに座りなさい」で、正座させられます。

こういう時はキターッ(汗)って感じで・・・何怒られるんだ、私!?

「心当たりはあるか?」
「・・・わからない」
差し出された1枚の紙。

それは、家出するつもりで夕べ書いた書置きだった(爆)
もう本人、書いたら気が済んで書いたことさえすっかり忘れてたよ〜

なんかね〜天気がよかったからお父さん換気してあげようかと思って
私の部屋に入ったらしいのね。したら机の上にでーんと置いてあったんだって。
机の中を勝手にあさったりするひとじゃないから、ほんとぺろんって置いて
学校行っちゃったんだろうな〜私。

拍子抜けした体育会系のこわーいお兄ちゃんは
「・・・家出するつもりがないなら書くな!」
と、変な怒り方をしてその場を去っていった(苦笑
そしてお父さんは言った。

「いや、まぁ、書いたら気が済むってことはあるからな」

あぁ、だから大好きよお父さん!
今度からは、かならずしまってから出掛けるわ(笑


そんなこんなで何が言いたいかというと、「書けない」ことに気が付いて。
しゅうさんは私が書いたものを勝手にみるひとじゃないとはいえ
一人暮らしの頃のようになんでもかんでもそこいらに書ける訳ではないし
だいたいしゅうさんそこにいたら、たいていのことは話せばいいになるし

あまりまともにとりあってもらえないことももちろんあって、
まぁ毎日毎日、家で仕事先のいやな話をしたりするのもなんだしね
そんなの楽しくないに決まってるし。
しゅうさんも仕事忙しくて疲れてるし。

そんな風に話せないことが蓄積して、それはお互いの思いやりではあるんだけど
私、気が付いたらちょっとストレスになってしまっているみたい。
話さない方がいいのかな?が増えると伝える意志がどんどん減退していく。


話せない。
でも書けない。


これは前から思ってて、ひとに話したこともあるんだけど、この日記って
みているのは私の知ってるひとばかりで、本当に書きたいことは書けない
書くべきじゃない、ってことが多いんだよね。。。

身近にいる、やさしい、私が心配掛けたくないひとを心配させたり傷付けたり
するだけで、なーんの得にもならないんだもの。

でも、このまんま喋らずに書かずにいたら、ある時突然爆発しそうで怖い。
というか、ダメだ。
ここにこんなこと書くこと自体、もう結構、溢れてしまってるってことだもの。

しかも、何?とかどうしたの?って聞かれても、返事ができないのね。
相談に乗るよと言われても、具体的に相談するべきことは何もないの。

それはたぶん、二人暮しを始めてからちょっとずーつちょっとずーつ
積み重なってしまったもので、いつの間にか逃げ道がなくなってたみたいな感じで
きっとしゅうさんにもあるに違いない、
私と一緒にいることで、いつの間にかなくしてしまったこと。


んー・・・
ちょっと欲求不満で情緒不安定な感じです。
こないだまで妙に安定してただけで、自分を顧みれば
こっちの方が普通か?って気がしないでもないけど。

本当に一番欲しいのは、話さなくても感じあえる何か。
例えばフットサルしてて、とても愛のあるパスが届いて、
ちゃんと愛を受け入れられて、しっかりゴールできた時みたいな(笑)

でも、話さないで判って貰おうなんてむしのいい話です。
だってそもそも私自身がとても鈍感で、言って貰わなきゃ判らない奴のに。
でもでも、だからこそそういうものが欲しくなっちゃうんだよね。。。



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