2001年03月24日(土)
 『リアルな現実 本気の現実 』 佐野元春 (フランス戦)

フランス5(2−0、3−0)0日本 80,000人
≪得点者≫
フランス:ジダン9=PK、アンリ14、ヴィルトール56、トレゼゲ63、69
≪出場メンバー≫
フランス
GK:1ラメ
DF:2カンデラ、18ルブーフ(35分13シルヴェストレ)、8デサイー、3リザラズ(80分19カランブー)
MF:9ラムジ、17プティ(46分4ヴィエラ)、7ピレス(60分14ミクー)、10ジダン
FW:12アンリ(54分20トレゼゲ)、21デュガリー(54分11ヴィルトール)
日本
GK:18楢崎正剛
DF:4森岡隆三(72分2中澤佑二)、3松田直樹=C、6服部年宏(78分16中田浩二)
MF:12明神智和(46分19高原直泰)、15伊藤輝悦、5稲本潤一(69分8望月重良)、10名波浩、14中村俊輔(46分11三浦淳宏)
FW:7中田英寿、9西澤明訓(69分17城彰二)


私がいままで生で観て一番惨敗だったと思った代表の試合の相手が
フランスだった。まだエリック・キングやパパンが居た頃のフランス代表、
W杯行けなくて残念でしたな国が集まった94年のキリンカップ。

フランスは本気で、華麗で美しかった。チンチンにやられた。
こんな国が出場できないんだから、日本が出れないのは当然で
日本にワールドカップ出場はまだ早かったんだな〜って思った。

『シャンパン・サッカー』
楽しくて華麗だったフランス代表は、長年そう形容されてきたけれど
この時のチームが、最後のシャンパンサッカーだったと思う。
もっともかつてに比べれば全然で、私の友は「シャンパンの空き瓶」
と言った。「香りは残ってるよ」ってね。
今、フランスは世界最強になったけれど、残り香さえもなくしてしまった。

私はつまらなくて悲しくて、ユーロの時にも強いけど好きじゃないって
日記を書いたりしたけれど、(悲しいことにその日記『過去と現実』は
事故で消えてしまって残っていません・・・しくしく(涙))
勝負弱かったフランスが現在こうなったのは
98年に自国開催大会が控えているというのに94年大会に出場できな
かったせいだと私は思っている。(もちろん育成システムの話なんかも
重要なんだけど、とりあえずここではおいといて)

彼らは、ファンタジーよりも現実的に勝てる方法を選択した。
無様な勝利よりも美しい敗戦を好む国民性を私は勝手に同志と思い込み
フランスだけはそれを追い求めるものと信じていたけれど
元々技術もイマジネーションもある国だったし、
勝利に味をしめて、短い時間にどんどん変わっていった。

開催前につまらないと国民にそっぽを向かれていたジャッケのチームは
本番で勝ち進むと歓喜で迎えられるようになった。

裏切られた、なんて感じていたけれど誰も彼らを責められない。
だって、ナショナルチームってそういうものだ、
いつだってみんな結果が欲しい。
こんな私でさえ今日みたいな試合を観たらこんなことを思うのだ。


『本当に、W杯で予選突破しようと思ってる?』


完璧なアウェーで世界チャンピオンと闘ったら、まぁ妥当な結果かな。
DFの選手達は真っ白になっちゃってたんじゃないかと思うよ。
経験になるって部分もあるだろうけど、トルシエがそこから選手を次々
入れ換えたのは、切れちゃった感じをなんとかつなぎ止める為に、
まだ実際に戦ってない選手が必要だったからなんじゃないかと思った。

晴れてる時にはごまかせた圧倒的な基本の差、凄かったね。
見劣りしない強さを持ってるのはヒデだけ。ジダンはとにかく別格。
アナウンサーはできることならいいコンディションでと連呼するけれど、
こっちはダメでも向こうは苦もなくいつも通りにやってる訳で(苦笑)
おまけに本番は6月なんだよ、梅雨なんだから、そんな言い訳・・・

フラット3は強い相手とやる時にゃ無理があるって、もうみんな知ってる。
いつもいつも挑む戦い方しかできない。
監督は臨機応変な対応ができない、効果的な選手交代ができない、
そんなことも、ほとんどのひとが判ってる。

でも私は好きよ、そーゆーチーム。普段はね。
でも代表の本番の舞台ではそんなの許されないの(爆)

攻撃的で、5点取られたら6点取り返すやり方は楽しい。
でも実際強豪相手に6点取れるのかっちゅーの。
本気で予選勝ち抜く気なら、他のやり方も用意しとかないとさ。

98年大会の日本は国内では酷い言われ方をされてみたいだけど
今でも1・2戦については正しいやり方だったと評価してる。
岡田さんと小野さんでいったら、最大限によくやった。
明らかに劣ってる戦力で、ちゃんと接戦を演じたんだから。
西野のアトランタのブラジル戦とかね。

足りなかった危機感は、今はっきりと結果に現れて
これが一年以上前でよかった、と思う。
アジアチャンピオンと世界チャンピオンにはこれだけの差があって
そしてその世界チャンピオンは、自国開催までは
決してああいう国ではなかったのだ。
「ホーム」ということにどれだけのメリットがあるかも
世界チャンピオンは教えてくれている。
あと一年で、どうしたら少しでもこの差をうめることができる?

私は真っ向挑むこのチームも監督も好感は持ってるし
あまりの惨敗にがっかりしてはいるんだけれど
日本は決して下手でも弱くもない、と今も思ってる。

成長や進歩しているのは日本代表だけじゃないんだし、
今フランスとアウェーで試合して勝てるチームなんて
ほっとんどないんだから。



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