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★2000年11月26日(日)
『FIGHT FOR YOUR RIGHT』 BEASTIE BOYS (J1)
<鹿島アントラーズ×柏レイソル(0−0)国立競技場>
短期決戦で、カップ戦みたいな変なリーグ。 常々そう思ってきたけれど、まさか本当に『決勝戦』 やることになるなんてね。 西野さんは随分前から最終節で鹿島と対戦って日程をみて、 感じるものがあるって言ってたけれど。
下手なサポーターよりも私はカシマの試合を観ている。 敬愛するジーコ、それからレオがいた頃はそれこそ通い詰だった。 一般的な視線では私は鹿島のサポーターにみえたことだろう。
いまやカシマのサッカーは、めっきり私好みではなくなったし、 彼らの大人っぷりにはうんざりもしていた。 好きな選手は、今でも多いんだけどね。 一昨昨日もテレビで万博の試合をみながらつまらんなぁ という気持ちになって、他会場のキタジのゴールに おもわずにっこりしてしまった。 喜びを大爆発させる柏の選手とサポーター。 なんでカシマってあんな冷静なんだろ?つまらんなぁ。 選手もサポーターも勝つことに慣れすぎて 当たり前になっちゃってるんじゃない?
だから昨年のナ杯の時は、柏が勝つべきだ、と思った。 中立のつもりだけど、もしかしたらまた柏寄りになるかも・・・
試合は両者ほとんど決定機を与えずに前後半終了。 両監督立ちっぱなし。途切れない緊張感。 うれしいのは、引き分けでいいカシマが、 抑えるところはしっかり抑えつつも できれば勝って決めようとしていたこと。 それで得点を奪うことが出来なかったのだから 小賢しい時間稼ぎも今のところ皆無。
おもしろーーーい!!! こうこなくっちゃ。
延長の序盤は柏の猛攻。 でもゴールを奪うことができず、残り時間は少なくなっていく。 そして、ここからがカシマの真骨頂だった。
延長戦の、コートチェンジのインターバル。 久々に一致団結したIN FIGHTの姿を見せてもらった。 カップ戦とリーグ戦は違うんだよって言われてる気がした。 今まで何度も激戦を制してきたチームのサポーターは、 「ここだ」って勝負どころを知ってる。
一方、その時柏のサポーターは沈黙していた。 恐らく「あと15分しかない」と思っていたんじゃないかな。 そういう気持ちって伝わってしまう。 選手からサポーターへも、サポーターから選手へも。 笛がなる直前に始まった北嶋コールも尻すぼみ。
確かに引き分けでいいカシマと勝たなければならない柏の差は大きい。 ただ、「あと××分しかない」というあせりが感じられる柏に対して カシマは選手もサポーターも「あと××分もある」とは考えなかった と思うのだ。ただ守ろうと思って守りきるのだって容易なことじゃない。 気持ちが守りに入って失点する姿は、色んな場面で何度も観てる。 でも感じる、自分たちのサッカーをすればチャンピオンになれるんだ っていう、勝者のメンタリティ。
例えばドーハで座り込んでしまった選手と意気消沈してしまった 私たち。その経験があって、ジョホールバルがある。 同点に追いつかれても私たちは選手を励ましつづけることができたし 延長戦が始まるときにはあの状況で「次のゴールでワールドカップ」 そう信じきっていた。負けることなんて考えもしなかった。
柏にはそういう経験が不足していたんだと思う。 最後の最後に、自分たちを信じきることができなかった。 私にはそうみえた。
そして本田君の投入。 あの時間なら当然の策だったと思うし、 決して散々うんざりしてきた「大人」ではなかった。 なりふり構わずキープし続けた。 あそこまで徹底すれば天晴れだよ。 私は好きにはなれないし応援する気にもなれないけれど 会場で手を叩いて大笑いしてた。
イライラする柏のサポーターが汚いと言った。卑怯だと言った。
カシマの選手はまたゴールに向かわず敵陣コーナー付近に向かって ドリブルしキープする。その上更にボールを奪おうとする柏の選手を ボールを持っていない熊谷くんが必死にブロックしてたりする。
カシマの選手は全身で表現してた。 正々堂々やったって、負けたら意味がない、何が何でも優勝する。 何を言われても、勝ったものが強い、ってね。
これが汚いと思うんだったら、ボール奪って攻めなよ〜 それは卑怯だってカシマの選手に教えてあげな〜(苦笑) 立場が入れ替わっても、最後までゴールを目指すのが正しいって 言えるか?負けてもいいから時間稼ぎなんかしないって言えるか?
なんだかんだ言ってさすがカシマだ、と思わせられてしまうのが ちょっと悔しいなぁ、仕方ないか、ジーコ様のチームだもの。 カシマにとって、お気楽サッカー好きなお姉ちゃんの期待に添うより、 強いチームでいることの方がずっと大切だろうしね。
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