CORKSCREW Diaries(米国編)
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2002年07月05日(金) gobacktoKOREA3(準々決勝を観戦!二日目完了)


2002年6月21日 尉山−釜山


僕らを乗せて尉山の街をの郊外へとシャトルバスは向かった。
スタジアムまでのアクセスはバスのみなのだが、それほど待たされること無くあっさり乗れた。
シャトルバスの中も相変わらず日本人が多かったような気がする。
さすがに会場行きだけのことはあって、ドイツサポーターらしい人もそれなりにいる。
僕と同じ10番中村Tシャツを着ている人もいてなかなか赤面モノである。
果たして会場でTシャツを交換すると言う僕の野望は果たされるのであろうか?
とひそかに思っているうちにスタジアムに僕らは到着した。

造られたばかりのサッカースタジアムだけのことはあって、
尉山文殊サッカースタジアムはきれいだった。かなり感動。
青いレプリカユニフォームとかTシャツが結構あふれかえっている。
やっぱり日本人多いなあ。
残念ながら日本はベスト16で敗れてしまったと言うこともあって、
多くの日本人が流れ込んで来たのだろう。
まあ最初からチケットを押さえていた僕らのような連中もきっと多かったに違いないが。
この辺では完全に僕も観光客と化して、スタジアムの前でチケットをもって写真を撮ってしまったりした。
出来立てのきれいなスタジアムって言うこともあり、とても見栄えがいい。
サッカー専用スタジアムってこともあるし、ますます膨らむ期待。
しかし時間はまだ6時前。
場内に入るにはいくらなんでも早すぎるってんで、スタジアムの周囲を一周してみることにした。
思ったよりも入場の混乱は起きていない。
早めに会場入りしたと言うことと、やっぱり観客自体の数があまり伸びなかったからかもしれない。
協賛会社のブースがいろいろあったりする。
フェイスペインティングを無料でやってくれるところもある。
さすがにブースの前は長蛇の列が出来ていたりして、並ぶ気にはちょっとなれず。
公式グッズショップもあったのだが、まあそれほど欲しいものも無し。
あと10日で閉幕すると、これらのグッズも安値で叩き売られてしまうのかなあ。
なんてことを思った。
それとも売れ残ったものは全て破棄されてしまうのだろうか。

しかし予想外に食べ物屋が無い。
こういう所にある出店とかを期待して、バスターミナルであんまり買い物をせずに来たのだが、
これならば弁当とかいろいろ買って来た方が良かったなあ。
予想外に規制が厳しいらしい。
なんかソフトドリンクとかは売ってるけど本当に食べ物が売ってない。
困ったなあ、ってことで、スタジアムの外にちょっと出てみたが、
外に出ても周りにはお店も何も無い。
しまったなあ〜、どうしようかと思っていたら、
おばちゃんがのり巻きを売っているのを発見して売ってもらった。
おばちゃん達はのり巻きを隠し持って中に入ってそこで売ってるらしい。
韓国でも日本でもおばちゃんパワーと言うのはすごいものだ。
と言うことでのり巻きゲット! 2つで6000ウォン。
スタジアム内でものり巻き弁当は売られていたが、
外で買うよりも高くておまけに美味しくなさそうだった。
やっぱりおばちゃんお手製の方がいい。
食べてみたら美味! さすがオモニの味。
これは黙認なんだろうか、どうかは分からないのだが、ま、美味しかったから良しとしよう。

スタジアムの外では両国のサポーターが応援合戦を繰り広げている・・・ってことも無くって、
普通に人がたくさんいた。
やっぱり日本人が一番多かったんじゃないだろうか。
125ドルと言う入場料は、日本人にとっても決して安くはないんだけどね。
それでもアメリカ人は結構来ていた気はする。
まだまだ他のスポーツの方がアメリカではメジャーなんだろうけど。
正直外にいて暇をつぶすことも出来ず、やること無いんでかなり早かったけどスタジアムの中へ入った。
まだ7時ぐらいだったと思う。
今回はチケットに名前が表示されていることもあり、
開催前に身分証明を行うとか行わないとかいろいろ問題になっていたけど、
結局セキュリティチェックのみで名前のチェックは無し。
もっともパスポートは亮佑のアパートに置いてきたけど。持ち運ぶの怖いし。
チケットには漢字の表記しかなかったのでどうしようかとは思っていいたが。

スタジアムに入って、そして感動したのは、
客席とピッチの近さ。
サッカー専用スタジアムと言うのはすごい。
スタンドの真下にピッチがあるんだもの。
サッカー専用スタジアムってすごいなあ。
これは本当に見やすい。
日本でよくあるトラック付きの陸上競技場兼用のスタジアムとは訳が違う。
これには僕もカシウチさんも本当に感動した。
思わず写真を何枚もパチリと撮影。
新しい競技場はやっぱりいいなあ。
これならカーン様の勇姿もバッチリキャッチ出来そう♪
(2002/07/09)

スタジアムの中に入っても食べ物屋などは無い。
なんか店でコーラとかバドワイザーとかおつまみとかのり巻きとかが売っているぐらい。
拍子抜け。串カツとかおでんとか欲しいところだが異国の地でそれを望むのは贅沢と言うものだ。
バドワイザーとソーセージを買う。二つで4500ウォン。
なんか日本で買うのとほとんど変わらないような値段だなあ。
あ〜でも日本のこういう場所でビール飲んだら一杯500円ぐらい平気でするか。
さっきも書いたけどおばちゃんから買ったのり巻きは本気で美味だった。
カシウチさんも、「これは美味い」と言って食べている。
これにソーセージを食べる。ドイツ製かどうかは不明である(たぶん違うと思うが)
なんか不思議な味だが美味だった。
こういう場所だからなんでも美味いのかもしれない。

しかし、開演・・・じゃなかったキックオフまで後一時間を切っていると言うのに、
客席の埋まり具合は今一つ。
一体どうなっているんだか。
ま、キックオフまでには埋まるのだろう・・・たぶん。
それにしても周りはどうやら日本人ばかりのようである。
ここでも日本語が飛び交っている。
しかも、どうやら座った側はアメリカ側らしい。
おいおいおい、今日はどっちかって言うとドイツを応援するつもりやねんけど〜、
「U・S・A! U・S・A!」とコールがちょっと起こっている。
あくまでちょこっと。
アメリカ人は結構陽気だなあ。
しかし・・・これでは10番中村Tシャツを交換するなんて無理かも知れん。
知れん・・・じゃなくって無理だわコレ。中村Tシャツはパジャマとして使われることになるであろう。
あ〜、ドイツの応援がしたい。向こう側のサイドが羨ましいんですけど。

そうしているうちに練習が始まる。
そして試合前の選手紹介のコールが起きる。
一気にどよめく場内。
どうも地元の学生達がいっぱい入場している様子。
やっぱりチケットは売れ残って地元住民で穴埋めをしているみたい。
日本じゃ考えられない状態で、明日の光州の試合ももし韓国がベスト8に進まなかったらこの状態だったに違いない。明日はきっとスタジアムは超満員で赤一色に染まるのだろうけど。
これだったら共催なんかにせずに日本だけでやった方が良かったんじゃないだろうか。
と埋まっていない客席を見ながら思う。
少なくとも日本でだったら埋まったはずだ。
ワールドカップと言う世界最大のイベントを目一杯楽しもうとする日本人と、
韓国と言う国家を世界に知らしめる最上の機会と認識している韓国人、
この感覚のズレがここに来て如実に現れてきてしまっているような気がする。
満員御礼、赤一色のイタリア戦と、このガラガラの準々決勝を比較して思った。
このイベント自体には韓国人は興味がほとんど無いのかと。
共催という事になって日韓の間の距離は大分縮まったと思う。
色んなところで日韓の交流が進んでいる。
それはそれでとても素晴らしいことだ。
僕だって韓国という国も・人も・みんな大好きだ。
だけれどもここワールドカップ自体に関してだけは違和感を感じる。
この空席が目立つスタジアムを見て感じる。
これだったら、韓国が出る試合だけ韓国でやって、
後の試合は日本でやったら良かったんじゃなかったんだろうか、なんて事を本気で思った。
それでも韓国の人にとっては不満はないだろう。
日本人は少しミーハーすぎる気もするが、
韓国の人は少し自分の国の事しか考えてなさ過ぎる。
このときそんなことをちょっと思い、そしてその思いは次の日にさらに現実のものとなる。

僕はそれほどワールドサッカーに詳しい訳では無い。
少し前の文章では日本人はミーハーすぎる何て書いているくせに、
実際ミーハーサッカーファンと言われても仕方が無いような奴である。
もっとも、ただのミーハーファンは韓国までは行かないかも知れないが。
ドイツで知ってるのってカーンとクローゼぐらいだし。
しかもクローゼも今回の大会に入って初めて知ったぐらい。
カシウチさんみたいなちゃんとしたサッカー好きな人と一緒に行くと自分の無知さに赤面してしまいそうになる。
僕の知っている欧州のチームなんて大半の日本人が知っているのと同じく中田とか小野、稲本の所属するようなチームぐらいだし。ダメだよなあ。
そんでも一応サッカーが分からないと言う人がよく言うオフサイドに関してはまあ、分かる。
だいたいどんなものかぐらいかはだけど。
サッカー自体はオフサイドを除いたらそんなに大して難しいルールは無いし、
最悪だだっ広い草原さえあればどこででも出来てしまう素晴らしいスポーツだ。
常に動きがあるからライブのようにはらはらどきどきしながら楽しむことが出来る。
道具がいろいろ必要な野球に比べたらボールひとつあれば何とでもなるサッカーはやっぱり世界標準のスポーツだと思う。それだからこそ4年に1度行われるワールドカップはこれだけ盛り上がるのだ。


話が大分横道にずれてしまった。
そうしているうちに時刻は20時30分。
いよいよキックオフ!
チケット申込が受理されたのが3月31日、この間、長いようですぐにやって来たなあ。
色んなこともあったけれども、今この世界最大のイベントに参加できるのを心の底から嬉しく思う。
(2002/7/10)

試合は予想外にもアメリカペースで始まった。
切れ味良く両サイドから攻撃が繰り広げられる。
アメリカの10番(名前を知らないのが申し訳ないのだが)はさすが10番! 
と言う感じの動きでパスを供給し、何度もドイツゴールを脅かす。
アメリカは結構スピードがある。
アメリカなんてサッカーの世界ではまだまだ後進国だなんて思っていたのだけれど、
予想以上に強かった。と言うか、ドイツは完全に押されている。
前半僕ら側のサイドはドイツが攻撃をする方だったのだが、なかなかドイツは攻めてこなかった。
アメリカ本気で強い。そのうちアメリカはサッカーでまで世界を席巻してしまうのだろうか。
しかししかし、そんなアメリカの前に立ちはだかるのはドイツの守護神・カーン。
神様仏様カーン様と言った感じで、決定的なシュートを何本もセーブしていく。
さすが欧州ナンバーワンGK!(今大会後に世界ナンバーワンになったけど)
アメリカの猛攻をことごとく跳ね返す。まるで鬼神の如し。
ドイツの攻撃は如何せんスピードが無い。
ただし守りは本当に重厚だ。
派手さは無いが重厚なサッカー。負けないサッカー。
面白味には欠けるが勝負の世界でこういう戦術って言うのはかなり有効だ。
そして守り抜いた後に先にチャンスがやってきたのはドイツだった。
セットプレーからバラックのシュートで先制。
前半が終わる寸前の39分のことだった。
これだけアメリカが押していたのに先制したのはドイツだった。
一点先に点を取ったらドイツは強い。
「負けないサッカー」をさせたらドイツに敵う国なんて無いのではないだろうか。
そのまま後半もしっかり守り切って勝ってしまった。
アメリカが手もこまねいて見ていたわけではない。
何度も何度もサイドを崩してドイツ陣内に攻めあがるが、
その都度立ちふさがるのがカーンだった。
それにしても、最初はドイツ×アメリカなんてぱっとしない試合だなあ、なんて思ったものの、
そんなことは無い。準々決勝にふさわしい素晴らしい試合だった。
アメリカのシンプルで力強いサッカーに僕は感動し、
そしてドイツの負けない重厚なサッカーにもまた感動した。
ここまで勝ち上がってくるだけのことはあったなあと思う。
僕はもう、試合を見ながら、ドイツだアメリカだのを考えるのはもう止めて、
素晴らしいプレーに対しては拍手を送るようになっていた。
どっちかって言うとドイツに肩入れはしていたものの、アメリカのサッカーも素晴らしかった。

アメリカの応援は、なんかアメフトの応援チックで面白かった。
サッカー文化はまだまだそれほど根付いてはいないのだろうけど、
そういう応援が見られるのはさすがにアメリカのサポーター。
学生時代に見に行った大学対抗のアメフトの試合を思い出す。


ただ試合会場の雰囲気と言うのはなんとも言えないものがあって、
試合の最中に起こる無意味なウェーブ。
そしてなぜか起こる「テ〜ハンミングッ(大韓民国)」コール。
これってドイツとアメリカの試合じゃなかったっけ? なんて思ってしまう。
これも、僕に「なんだかなあ」とか思わせる要因になった。
客席も結構空席が目立っていたし。
一番盛り上がらなかった準々決勝とか言われたが、そう言われても仕方が無い。
近隣住民を動員しなかったら果たして7割埋まっていただろうか。
動員したのはいいが起こるのはテハンミングッコール。
他国の試合には全く無関心なのだろうか、韓国の人は。
ホスト国として自国のチームさえ盛り上がったら良いのだろうか?
そんなことは無いと思うんだけどなあ。
折角の素晴らしい試合なのに、本当に勿体無い。

と言うことで試合が終わってそのまま釜山に帰る。
釜山行きのバスは深夜2時まで運行しているのだ。
うまいこと行けばひょっとしたら最終の地下鉄に乗れるかもしれない。
地下鉄で帰れさえすればかなりお得に西面まで辿り着けるのだ
試合が終わったら即会場を出てバス停に向かう。
まあ余韻も何もあったもんじゃないのだが、諸事情のため致し方なし。
シャトルバスに飛び乗って、高速バスターミナルに向かう。
釜山行きのバスは満員の乗客を乗せて出発した。
疲れのたまっている僕は座らせてもらってカシウチさんは立たせてしまった。
大変申し訳なし。一時間立ちっぱなしはたぶん辛かっただろうと思う。
僕は疲労で寝てしまって、またもや気付いたらバスターミナルに到着していた。
時間は12時少し前ぐらいだっただろうか。
ぎりぎり地下鉄に乗れるかと期待していたが、タッチの差で最終は出てしまったらしい。
仕方がない。タクシーで行くしかないか。
しかしこれがまたタクシーが捕まらない。
道でタクシーを捕まえようとするのだが、ライバルが多すぎる。
バスターミナルは釜山の北の果てにあり、南方向に向かう人が多すぎるのだ。
しかし日本人はここでも相変わらず多い。昼間とか西面の町中では全然見かけない(ような気がする)のにこの蔚山帰りの日本人の多さは一体何なんだろうか。
同じ西面方向に向かう日本人をナンパしてタクシー代を浮かせようと言うせこい事を考えるが、
なかなか一緒に行けるような人もいない。
まああきらめてタクシーを待つが、本当に捕まらない。
ようやく捕まえたのは30分が過ぎようとしていた。
「西面のロッテホテルに行ってください」
と一応韓国語で言ってみる。
韓国語が通じたというよりも場所で了解したみたいだ。
途中、西面に行くという日本人を一緒に乗せて行く。これがウワサの相乗りタクシーってヤツね。
それにしてもやはり韓国のタクシーの運転は荒い。知っているんだけどやっぱり荒い。
後から乗ってきた女の子は「怖い!」を連発している。
眠っていきたいのだけれども、メーターも多少気になるし、寝られなんかしなかったなあ。
30分近く乗ってやっとのことでタクシーはロッテホテルに到着した。
ここまでで12000ウォン。
乗り合いタクシーって言うのはきっちり双方のグループからお金を取るんだねえ、
僕らからも彼女達からもきっちり12000ウォン取ってた。
抗議したいのはやまやまだがもう疲れてたしどうでもいいやと12000ウォンを払う。
二人で割ったところでどうせ日本円で600円ってとこだ。
普通日本でタクシーに30分も乗ったら4.500円ぐらいはするよねえ。
ほとんどタクシー乗らないから分からないんだけど。
今回何も買ってないから本当にお金を使ってない。
やばいなあ、このままではお金が余りまくりではないかリョーサワ銀行でウォンと日本円を交換してもらわねば。しかしまあ、買い物ばかりする日本人には信じられんかも知れんね、この状態。

とにもかくにも午前1時過ぎ、西面の亮佑のアパートにやっと僕らは辿り着いた。
遅くまでお疲れさま。
こんなに遅くなってごめんよ亮佑。
本当にお世話になっています。
と言うことで、明日はジョンさんと東亜大学でサッカーの試合を観戦予定です。
どうなることやら?!
(2002/07/11)






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