CORKSCREW Diaries(米国編) |
007 TO THE WORLD 僕らの長かった旅も遂に終る。 全てを自らの手で創り上げた、そう自信を持って言える。 それは大きな自信となり、その自信が僕の血や肉となるのだろう。 京都からバンコクへ、バンコクからコペンハーゲンへ、コペンハーゲンからレイキャヴィークへ、レイキャヴィークからロンドンへ。地球のほぼ裏側まで旅した。日本で沈み込んだプレートは、アイスランドで浮き上がっているんだ。 それを確かめるために旅をした。 そう、自信を持っていい。 このさいはての地まで来て、これだけ自由に旅を創造した日本人、そうはいないんだから。それだけ僕らは、成長したって言うことなんだ。 世界が僕を呼んでいる、なんて格好良いことは言わない。 僕が世界を呼んでいるんだ。求めているんだ。 だからもっと旅に出たい。世界を知りたい。そう思っている。 朝、いつもの朝食を取る。泣いても笑っても最後の朝食。朝食後、ユースのインターネットサービスで日本に向けてメールを打つ。便利な時代になったもんだ、本当に。勿論日本語で入力は出来ないんだけど。 本当は、最後の朝、飛行機に乗る前に、もう一度ロンドンの町を歩いてみたかったけど、残念ながら時間がなかった。そう、11時半には、ヒースローに到着しなければならない。10時過ぎには市内を発つ必要があった。別れは惜しい。たった一日しかいられなかったロンドン。一日でやれることは全てやれたと思う。でも・・・ええい、そうは言っても後悔の無い旅も人生も無い! 来たときは夜だったから周りの景色はほとんど見れなかったロンドンのUNDERGROUNDだけど、昼間に見た周りの景色はとても綺麗だった。英国的風景が僕の前に広がっていた。所々の駅にはUNICLOの看板が見える。9月の終わりにオープンらしい。ちょっと行きたかったもしれない。 ヒースローにUNDERGROUNDは到着した。 地下鉄が直結しているのは大変ありがたいって思う。 ソウルの空港も昔は直接地下鉄で行けたんだけど、今はリムジンバスでしか行けない。早く地下鉄を延長して欲しいと思う。まあ、話ではワールドカップには間に合わないって言う事らしいだけど。 ロンドンの入国チェックは厳しかった。 テロの影響って言うのが大きいんだろう。飛行機に乗るまでに3回も荷物検査があった。やり過ぎる・・・に越したことは無いんだろう。これぐらいはいくら何でも甘受しなければならない。この大変な時期に旅行者をやるんだから。 そして飛行機は飛び立つ。 まずはバンコクへと僕らは向かう。 食事のタイカレーが非常に美味い。これまでの食事でひょっとすると一番かもしれない。機内食が一番ってどういうことやねん! と言う気もするんだけど。が、調子に乗ってカクテル三杯も飲んでしまったのがいけなかったみたいで、トイレの住人となってしまった。やっぱり飛行機内は滅茶滅茶回るのが早い! タイカレーを戻すなんて勿体ないことだけは出来ん! と思ったので必死こいて我慢したんだけど、まるで旅行初心者みたいなことしてしまった。情けない。 でなんだかんだでどうも寝られなかった。 やっぱり飛行機の中で眠るのは苦手みたい。何処でも寝られる人が本当に羨ましいって思う。仕方ないから本読んでいたんだけど、結構読書がすすんだ。読む度に何となく気分悪くなっていくんだけど。バンコクまでの機内は真ん中だったから、窓の外の星空は見れなかったし。 やがて飛行機はバンコクに到着した。 「やがて」なんてそんな接続詞では片づけられないぐらい長かったのだけれども。ヨーロッパは遠い。だけど、まだ行きに比べればマシだったかもしれない。 バンコクで僕はもうへろへろだった。待ち時間は3時間。 3時間はそれ程長い時間ではない。が、体力の限界と言った感じの僕にはもう辛かった。まあ、ラッキーなことに、今回も機体はJALだった。素晴らしい。もう英語は使わなくてもいいんだな、ちょっと寂しいけど。 仕事場へのお土産はなぜかここバンコクで購入。 帰国後、「あ〜バンコクは暑かった!」なんて言って持っていくと、 「あれ? アイスランドに行ったはずなのに、なぜタイランド?」 と当然のツッコミが返ってくるのである。 北極圏から赤道直下へ。またこれも面白い。 そうして飛行機は日本へ向かう。 JALに乗ったらもう本当に日本国内と一緒。機内は欧州から戻ってきた人とタイから来た人とクッキリ客層が別れてた。 大体Tシャツなのがタイ帰り。セーターとかパーカーとか着ているのが欧州帰り。機内は結構寒かったから、Tシャツだけでは寒かったかもしれない。 機内食も焼鳥丼を食べて、蕎麦を食べてもうすっかり日本モード。やはり日本食が一番だと実感。日本の新聞を読んで、ヤクルトがまだ優勝していなかったことに驚いたが、まあ個人的にはどうでもいいことだった。テロに関しては、水面下で作戦が進行しているのだろう。着々とテロ包囲網が展開されているのが見て取れた。大変な時期に旅行に行ったと思うけど、ちょうど隙間の時期で、タイミングとしては悪くなかったと思う。 世界の果てまで僕は旅をしてきた。 いや、世界の果てという言い方はアイスランドの人にとって大変失礼かもしれない。彼らにとっては、日本こそが、世界の果てかもしれないからだ。 なんにせよ、僕らは地球の裏側まで行ってきたわけだ。 この旅で見たもの、感じたこと、いろんなもの、全てを、僕は一生忘れない。 忘れてなるものか。そう思っている。 この旅はこうして終る。 けれども次の旅はまた始まる。 次はどんな出会いが待っているのだろう。 |