以前にも書いたと思うが、私が選曲をするときにこだわることがある。
1つめ、自分の好みは敢えて殺して選ぶ
どうしても「選ぶ」という行動は、その人の好みがもろに反映されてしまう。これは図書室で買う本の選定の時も同じだ。 敢えて好みを押し殺している、という位が、ちょうど選び手も他の人もまんべんなく満足できるものに仕上がるからだ。〈何かに偏っていない、という意味でね〉
2つめ、エンドレスで聞いても飽きないものを選ぶ
数回聞いて飽きるのでは、奥深さがない=良い作品とは言えないからだ。これもやはり文学作品と同じ。何回読んでも、読めば読むほど虜に出来る魅力があるから、『源氏物語』が現代でも読み継がれてきているわけ。
3つめ、演奏会全体の流れを考える
どんなに良い曲だからといっても、大曲ばかりでは疲れてしまう。またあんまり脈絡がなさ過ぎても疲れてしまう。 演奏会をひとつのまとまりとして考えないと、奏者としても気持ちよく吹けない。
以上が、私のこだわり。 だがこのこだわりをつらぬくのは容易ではなく、曲目が出そろうまでにかなりの産みの苦しみを味わう。
今年の部活の曲目も相当苦しんだ。苦しんだあげく、生徒たちが文句を言う(言うわりに、今はお気に入りで、「そんな曲やるなんてあり得ない!」とまで言い切った曲を、「良い曲だからアンコールでやりたい」なんて言い出していたりするorz)。 そんなとき、報われないなぁと思う。
さて、今日は、去年の卒業生で、ステマネをお願いしているS君が部活にやってきた。
その時、曲目を見ながら言った彼の言葉。
「今年の選曲、うらやましいです。全部やりたい曲です。ぼくも一緒に吹きたいですよ」
苦労した甲斐があったな、と思った瞬間でした。
あとはアンケートで、曲目が良かった、と書いていただければそれだけで本望です。
なんだかんだと言っていた生徒たちも、今は喜んで吹いているみたいだし(^_^;)
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