←過去  │ 目次 │  未来→


2004年07月02日(金)     飛ぶ男


裕は


その後、新しい店に馴染む事ができず、


ついには「飛ぶ」と言い出した。







「東京辺りまで逃げれば捕まる事は無いと思う。

 だから、みぃにも付いてきてほしい。」





そんな事を言われた。


今の店を辞めて裕に付いて行く…。


家族も友人達も捨てて裕に付いて行く…。










そんなの無理に決まってる。


そんな気サラサラない。


私は今の生活が好きだし


何より裕を好きじゃない。







「それはできないけど、裕の事応援してるよ。」




「何で付いて来ないんだよ。

 他の女達はみんな俺が『飛ぶ』って言ったら『付いて行きたい』って言ってるのに」




「そんな事言われてもね…。」





大体、「付いて行きたい」なんて言う女達のうち、

本当に付いて来るような女は実際にはそういないだろう。





ましてや、それを私に言ったからって何も変わらないよ。




結局私は、裕を見送った。



裕は既にイロコイ使って好き勝手使っていたくるみと


そして、まだ16歳くらいのゆいを連れて東京へと旅立った。








↑エンピツ投票ボタン
コメント変わるよ。


My追加





裕は、新しい店に未収(ツケ)を収めていなかったから。


ある意味、店に借金がある状態だったから


店からも、そしてそのバックのヤクザからも追われる身になった。






でも、東京にいるなら、きっと大丈夫。



…東京にいるなら。






←過去  │ 目次 │  未来→