2004年03月21日(日) |
ミュンヘン五輪金メダリスト、F・ショーター氏と再会 |
去る3月20日(土)、筑波大学で開催されたランニング学会で、宇佐美 の現役時代、最高のライバルとして戦い、ミュンヘン五輪のマラソン・金メ ダリストだったフランク・ショーター氏と再会することができました。学会の 大会企画の中で、彼と宇佐美が協力し合う場面があったのですが、そこで 見たものは、「人間、フランク・ショーター」の素顔でした。
宇佐美がこれまで見てきたものは、マラソンランナー、ゴールドメダリス トとしてのショーター選手であって、素顔の「人間、ショーター」ではなか ったのだと思うのです。まれに会う機会があっても挨拶をするくらいで、今 回のようにフランクに話合うこともなく、ただかつてのライバルの無事を確 認する程度でした。
ところが今回、ランニング学会の大会委員会がセットしてくれたチャンス に便乗することで、彼の本質というか、彼の人となりを垣間見ることができ たように思います。 学会が終わり時間がたつに従って、「人間味あふれるF・ショーター」を 記憶にインプットしています。それと同時にショーター選手がなぜトップに のぼり詰めることができたのか、その裏づけとなる要因が判明することで、 納得すると同時に、安堵もした次第であります。彼がただ単に強かったとか 速かったとかいう事実だけでなく、その強さの背景にあるものが明確になっ たからです。
その一つは、本人自身の感覚にあくまでも従うことが、科学的にも証明さ れたのです。感覚というのは、素直に自分を信頼することを背景にしていま す。ショーター氏の言葉では、「ヒトの心理と生理の現象を知ることこそ、 スポーツマンの勝利への秘訣である」と説明していますが、この点は宇佐美 自身も納得がいくことで、同じことを実際に経験しているからなのです。そ のことを再確認できたことは、人生における最高に素晴らしい瞬間であった と思います。
ショーター氏との会見で、宇佐美なりの「身体のスポーツ表現(心身とも に)」を学ぶことができ、人生最高のヒントを、最高のライバルからもらう ことができた幸せに、いま浸っているところです。
私はこの3月20日の体験を、今もそして今後も反芻していくつもりです。 そしてスポーツマンが世界の頂点に立つには、単なる偶然では説明できな いものが存在すること、「必ず科学的裏づけがある」ことを詳細に分析し総 合的に見つめていくことが、何よりも大切であることを再確認した次第です。
とくに、彼の「実践で示した現象を、科学が裏づけた!」という言葉は、 現場を中心に活動しているものにとって、大変な勇気と自信を与えられた まさに百人力の表現に匹敵するといえるでしょう。
これではまだまだ言い尽くせないほどの、感動と感激がじわじわと湧き出 てきている状況です。こんな興奮状態になることは初めての経験です。ショ ーター氏とまた会う機会がありましたら、今度こそ宇佐美の方からどんどん 聞き出したいものです。
ランニング学会の報告とレジュメを見ましたら、ゆっくり落ち着いて、再 度宇佐美自身の経験をまとめてみたいと考えています。そうした機会がくる 願って今回は報告に替えます。 宇佐美彰朗(3月21日、記す)
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