もう、だめよ。 もうだめだめ。 何考えてんのおまえ。 ばかじゃない。だからいってんのに。 期待する方がいけないのよ。 あんたなんかが。
まだ傷は浅かったからよかったかな。 でも、傷は傷。痂になり、痛くていたくて。 かさぶたばかり気にする。 そうすれば、かさぶたが一つもなくなるかしら…
どんな人間にも傷はある。 そんな甘ったれてるわけじゃない。 ただ…私には甘い薬がないだけ。 もっともっと、薬を買ってこなきゃ。 自分で大金払って、薬を得るしかない私。
あのひとのように…舌で少しずつすこしずつ、舐めて治してくれる人はいない。
みんなみんな、傷つけて去っていくだけ。 傷をつけたことすら気づかずに…
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