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2004年03月14日(日) 寄り道しながら歩いてきた道

雨が降った後の土の匂い。

体の横を通り過ぎる冷気が

髪についたグレープフルーツの匂いを揺らす。

朝の匂いは、誰にも汚されていなくて

凛と澄んで、清々しい。



時々、自分が何歳だかわからなくなる。

私、18だよね?あれ、もう19だっけ?

そうか19か。年取ったなぁ。

悴んだ指で小説のページをめくりながら、そう思う。

昔は、大好きだった主人公と自分を重ねたり、

自分とは違う目線の見方に憧れたりしてたのに。

主人公の年齢を、とうに超えてしまった今では

過去との対比でしか、主人公と話せない。

年老いた証拠かな(笑)









この前、3階の自分の部屋で

あるノートのコピーを見つけた。

ノートがびっしり詰まった、本棚の合間に

隠すように挟まっていたファイル。



親の目を盗んでコピーした物だった。

母と私の字が入り乱れる。

昔を思い出す。


ほんの1年前の出来事なのに。

こんな物を見つけない限り、忘れていた。


机の引き出しの奥にしまった

青い携帯も手に取ってみる。

電源が切れてる。

充電をしてみたけど

あの時の伝言メモもメールも消えていた。





これでいいんだろうな。

こうやって、記憶は消えていく。

手元にあるコピーもいつか処分するんだろう。

なんとなく頭がくらくらして、

ファイルを元の場所にぎゅっとねじ込んで部屋を出た。






家の重さに、過去の空間に

別れを告げられぬまま

振り返らずに家を出る。









凪 |MAILHomePage

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