西方見聞録...マルコ

 

 

映画評「マレフィセント」 - 2014年07月21日(月)

 夏休み入ったばかりの3連休、どこにも行かずにいたおKちゃん(小6)が哀れだったので、なんか映画に行こうということで、マレフィセントか、マーニーか、アナ雪か(私は初めておKちゃんは2回目)か悩んでマレフィセントに行きました。このマレフィセントは高2のお姉ちゃん、1号さんが激行きたがってたんですが、お姉ちゃんは朝から部活なんでラインで「部活終わったら、イオンの映画館にいるからこっちおいで〜」と連絡したんですが「ライン観る前に家方向の電車乗っちゃったから行けん」という返信が上映時間直前に入りましたんで、とりあえず小6と二人で行きました。


 うむ面白かったです。どんな感じに面白いかというと、あれですな、バンクスが教材化した「地理上の発見の裏返し版」みたいなかんじ。コロンブスに発見された方のネイティブアメリカン側の詳細な民族誌的情報から始まって、見知らぬ「白い人」に騙され、蹂躙され、豊かな文化を奪われるネイティブ側から見た歴史っていうか、あるいはイギリスのワールドスタディーズさんがやってるというアフリカ側から見た世界史の編纂のし直しとか。

 奪われたもの(マレフィセント)の側から見たら世界はこう見えましたな眠り姫ストーリーです。




以下ネタバレありです。見てない人はよそのページに行ってちょ〜




 特に圧巻は最後の城でのステファン王との対決のシーンですな。鉄の盾に囲まれ、鉄網をかぶせられ力をそがれて(あらかじめ最強の翼はとっくに奪われている)ステファンが時間をかけて、ステファンに都合よく用意した戦いの場に立って初めてステファンはマレフィセントと戦えるわけですわ。

 男のルールで男の都合のいい設定で競争させられて、女が負ければ、やっぱ女はダメだねという見慣れた風景の象徴図画が展開されるわけです。そこへ真実の愛で結ばれたシスターフッドな後輩がお姉さま(マレフィセント)のうばわれた力を開放するといういろいろにあからさまに、しかし胸打つメタファーな世界が展開しました。


 異性間の愛なんて(王子の愛すら)肉欲にまみれた我欲の愛と切って捨てるところはなかなかにディズニーの思い切りの良さがうかがえました。『魔法にかけられて』の頃よりかなり進んだ感じ。

 ちょっとあの映画の作り手はどういう人だったのかな?男の人か女の人か、女子の親か男子の親か、いろいろと気になりました。

 ところで、アンブリッジ先生がかわいい役どころで出てました。いつ悪人になるかドキドキしました(悪人にはなりませんでした、抜けてたけど)。

 


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