西方見聞録...マルコ

 

 

最後の抱擁 - 2008年07月11日(金)

 「おかあちゃん“スキ”して〜」

と、今日もうちの幼児と学童が抱擁を求めてくる。ティーンの学童も登校前に、必ず熱い抱擁を求めてから学校へとかけていく。彼女は手のかからない人で学校への持ち物チェックとかほとんど自分でやって(シーズンはじめの水泳の用意とかも私は一切ノータッチだった)親を煩わせない人なのに、この朝のスキンシップだけはやめられないようだ。

 ずっとすげえちっこい物体を抱き上げて抱擁していた。その後は身をかがめて抱擁していた。でももう学童に関しては立ったままの姿勢で抱擁が交わせるようになってしまった。

 いつまで、こんなに切実に抱擁を求めてくれるのだろう。

 そのうち儀式化したり、向こうさんのサービスで抱擁してくれるようになるのだろうか。こんなにも切ない抱擁はきっともうかなり終わりに近い。いつが最後の抱擁かなんて認識できないうちにこの切ない抱擁はゆっくりと形骸化していくのか。

 私はあなたには全然いい母でなかった。いつも外ばかり見つめて背中のあなたが負担で仕方なかった。それなのにこんなに切実に私を求めてくれて本当にありがとう。戦う力をたくさん授けてくれてありがとう。最後の抱擁を迎えたら、どうか後も見ずにあなたはあなたの世界に駆けていって。それを応援してあげることだけが私を求めてくれたあなたへの恩返しだと思ってる。


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