西方見聞録...マルコ

 

 

命の格差 ナイロビの蜂を観て(1) - 2007年02月04日(日)


(最初に、このシリーズはねたばれ満載です。まだ「ナイロビの蜂」を観て居なくって今後観る予定のある人は、読まないことをお勧めします。)

「ナイロビの蜂」をみました。命のお値段の格差の話だと思いました。
マルコ青春の地ケニアが舞台でございまして、おおこのスラムはリバーロード向こうのキベラマーケットか?とか、トゥルカナ湖の映像には「行った、行ったよしかも往復車で行っちゃったよ」とか盛り上がりつつ観ました。また保健省大臣が援助金食っちゃう話とか、警察官が「チャイ」(スワヒリ語のお茶の意で隠語で賄賂)を要求するシーンが背景としてちりばめられるのですがまあなんというか見慣れたケニアの(ステレオタイプな)風景でした。でもまあ事実存在する話ではあるでしょう。

 話の本筋の新薬の治験ですが、違法に、あんなナイロビのお膝元でやったらものすごいたくさんの数の関係者が大騒ぎして、大群像劇になっちゃうだろうな〜というのが素直な感想。あんなにこじんまりした人間関係では話が絶対完結しません。まずイギリスの外務省しか政府側は出てこなかったけど「英国国際開発庁(DFID)」やVSO(イギリスの国派遣のボランティア)のみなさんは何してんでしょうか?全員そろってグルなのでしょうか?他国の援助機関もあのあたりにはわらわらいます。またMOH(保健省)系の病院らしい「ウフル病院」が舞台になってましたが病院がリクルートする地域住民が勤める有償ボランティアCommunity Health Workerは何してるんでしょう?Outreach Clinicのナースたちは?それ以外にも世界的NGOから弱小NGO、地元のGRO(Grass Roots Organization)、キリスト教系自助生活グループ、CDD(ケニア内務省の1機関Community Development Department)系の女性グループの人々やとにかくものすごい数のケニア人出演者が出てきてわーわー大騒ぎして大変だと思いました。上記のステークホルダーの皆さんって結構、色があるので主人公(主人公もどのポジションの人がやるか再考の余地ありですが)の味方の振りして製薬会社からの助成金目当てに裏切ったり、普段原則ばっかり言ってあんまり役に立たないのにいざとなると信念貫いたり、命の値段の軽さに不感症になってて「そういうもんさ」っていきなりあきらめたり、でも後でそれじゃいかんって気づいたり、いろんな役柄が想定されます(どの団体がどの役とは申しませんが)。大群像劇版ナイロビの蜂、楽しそうです。
 とにかく、絶対あんなにやられっぱなしの無力なだけのケニア人ってありえん、ってのがケニア援助業界で飯を食ったことのあるマルコの感想です。




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