熱弁とセルフエスティーム - 2004年03月21日(日) 姫路の奥のFという町に行った。 私がかかわりを持ってきた国からの移住者がたくさん住んでいる町で、そこで今日は関西圏に住むその国の人々が集まり、新年(4月)の祭りをどうするか?来年度の役職をどうするか?等、話し合いがもたれることになっていた。姫路あたりに暮らすその国の人々の定住過程を調査している研究者の人に連れていってもらってその集まりに出られることになったのだ。 無謀にも2児を連れて行くことにする。あめでおさんはめずらしく休日なのに会議があり1日不在。それに子供というのはフィールド調査の際に相手にガードを下げていただく小道具として有効なこともあり、遠路はるばる連れて行くことにした。途中1号さんが乗り物酔いになられたがなんとか3時間ほどかけて昼前に目的地に到着。団地の集会所ではその国の言葉での喧喧諤諤の議論がすでに始まっていた。 なんというか、すごい。 普段その国の人は日本社会の片隅で工場などに努めて暮らしている。経済が好調な折、日本政府はその国の人々を多く受け入れたが、今の不況でリストラにあったり苦しい生活をしている人が多い。言葉の問題もあり仕事場でも子供の教育現場でも物静かに日々をやり過ごしていることが多いという。でもその団地の集会場で見た彼らは本国の学校委員会や村の自治組織で熱弁を振るう村の顔役の姿とダブるほど、男も女のもとにかく熱弁をふるい、同意の拍手・笑い、野次などが頻繁に飛び交う。 なんかこうやって熱弁振るう機会って人には大切なんだろうなと思う。たくさんの人の前で自分の意見を述べてその意見に笑ってもらったり怒ってもらったり、おまえの話は長いんだよ、と突っ込まれても辞められない。あめでおさんからよく聞く大学の教授会なんてので熱弁振るっちゃうセンセイ方にも一脈通じたりして。 通訳してくださった留学生の人もちょっと驚いた様子。彼女は本国の激エリートコースの方でここに集っている人々とは30年前の内戦で敵になってしまった人々の側に籍を置いているのだけど「女性がこんなに自己を主張できるのってすごい!」と感動しきり。 その後その国のおいしいお料理でお昼ご飯。おKさんも1号さんも恥ずかしいほどよく食べる。おKさんは行きかえりの電車の旅もおいしいお料理も何もかも楽しかったみたい。1号さんは「あの英語でしゃべっている人たちは日本人なの?日本語もできるの?」と驚いている。あれは英語ではありません。そしてほとんど見た目は変わらないけど日本人でもありません。「でもいろんな言葉がしゃべれてすごいねえ、1号ちゃんの保育園のT君もスペイン語がしゃべれるらしいよ。」というと「1号ちゃんは関西弁と日本語としゃべれるよ」と言う。まあおいおいいろいろ話していこう。でも今日のこの日の経験を忘れないでいてね、1号。 ...
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