西方見聞録...マルコ

 

 

がんばれ留学生 - 2003年11月08日(土)

 この日はインフルエンザの予防接種を受けに奈良市に参上し、興福寺の境内にて作っていったサンドイッチを食し、いつものお団子屋でお団子を買って、いつもの漬物屋でひのな漬けを買って帰宅しました。

 あんまり書くべきこともないので2日前の木曜日に専門学校で交わしたONE先生改め、ももこ先生との会話を収録いたします。

 ご存知、本HP掲示板にもご降臨いただいたももこ先生は中国からの留学生。でもその完璧な日本語と日本理解からほとんどの人が留学生であると気付かないという方です。

 このころの小泉総理の靖国参拝、戦争中の負の遺産、生物化学兵器による新たな被害者の出現により中国国内での対日感情は悪化し、日本国内でも福岡の一家殺人などからかなり厳しい風が吹いています。そこへ西安での事件が起こり、いろいろな感情が両国間でほとばしっているのだと思います。

 そんな中、ももこ先生のお友達の留学生が日本人の友人とレストランで食事していると日本人の客が「お前は中国人か?自分は中国人が大嫌いだ。日本人なのに、なぜ中国人の世話をしている?」とからんできたそうです。それに対して、日本人の友人は「この人は普通の中国人ではなく、大学院の博士課程で研究している素晴らしい中国人なのだからそんな風に言わないで」と反論したのだそうです。

 お友達は見知らぬ日本人の暴言とそれに続く友人の中国人全体への蔑視に深く傷ついたそうです。ももこ先生は自身はそうした差別的な事件に遭遇した経験がなく、その話をお友達から聞いて心から驚いて、ショックを受けたそうです。お友達は「もう日本にいたくないので、かえる」そうです。彼女は本国では優秀なジャーナリストなのです。この日本で報道されないレストランでの事件が日中関係と日本自身の利益に及ぼした損害について深く憂慮せずにはいられません。

 でもももこ先生は「私はあきらめません。中国への偏見があるなら、しっかりとそれにNOといいたいし、偏見を持った人を変えていきたいです。」とおっしゃいました。わたしはもともと中国が好きなほうですが、ももこ先生を通じて中国に深い好感を抱くようになりました。つくづく、留学生はその自覚があるにしろないにしろそれぞれが背負う国の見本として両国関係の最前線を歩かねばならないのだな、と感じました。

 がんばれ、世界中の留学生。ももこ先生も、アメリカにいるあの人も、イギリスにいるあの人も、私の席の隣のネパールとインドネシアから来たあの人も。
そうして幸運にも留学生の近くを通りかかれたのなら、その苦労をねぎらい、可能なかぎり暖かい交流をもちたいと心から思いました。あなたのためにも、私のためにも。


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