西方見聞録...マルコ

 

 

草食獣の群れの中で - 2002年10月21日(月)

 職安へ行った。高齢者とヤングが多かった。

 受付のおば様も面接してくれたおっちゃんも、雇用保険給付の説明をしてくれた兄さんも大変感じが良くて有能な人々であった。しかし、失業者の群れは大変面白かった。
「405番の方どうぞー」と呼ばれてカウンダ−をガンと蹴りながら座るヤンキーの兄さん。経験も資格もないけどヘルパーがやりたいと主張し続けるおばあさん。受付のおば様に大変親しげなタメ口をきく一見浮浪者風のおっちゃん。私もその群れの中の一人として正しく就職活動をしてきた。

 神戸を通勤希望圏に書いたら面接官のおっちゃんに
「神戸なんて遠すぎる。『奈良の人なんていらない、こっちの人間でやりますわ』といわれるのがおちや。」と一くさり説教をたれられる。おっちゃんは説教せずにはおられん体質のようだったがそれもまた、いとおかし。

 自己都合退職ながら、夫の転勤で遠隔地にきて不可抗力の退職ということがはっきりしているので 1週間後から雇用保険給付が開始されることとなった。

そしてハローワークから出ると突然腕をグイッと引っ張られる。満面の笑みを浮かべた小奇麗なおばさんが
「どや?いい仕事あった?もしなかったらここで私とはたらかん?」
おばさんがくれたチラシには「生命保険のセールスレディー募集」とあった。失業者の皆様と比べて生保ヘッドハンターのおばさんは額がてらてらしていて
“肉食獣”
と言う印象でした。

 帰宅して娘2号の面倒を見ていた夫とタッチ交代。

 昼から出勤の夫の後姿を見送りながら、職安と縁のない人生を送る夫に対しまた一つ経験値を高めてしまったわが身を思う。





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