西方見聞録...マルコ

 

 

主婦との遭遇 - 2002年10月15日(火)

 さて入居した新スイートホームは新築マンションのはずであった。しかしたくさんの原住民が住んでいた。

 マンションは5階建ての既設部分と3階建ての新築部分が接合している。私たち一家は新築部分に入ってきた。

 3年前に建てられた既設部分に暮らす人々は多くが専業主婦で皆仲がよい。

 そしていきいき、というかぎらぎらしている。

 私自身が抱いていた主婦のイメージとはかなり遠い。

 それには理由があった。

 既設部分に住む人々にとって入居2年目のある日、突然、新設部分のマンション建設がはじまった。事前にはA4の紙1枚で新しくマンションの拡張工事が始まることが短く告げられただけだったと言う。隣接する工事現場の騒音振動の中で住民は暮らさねばならなかった。

「工事現場で暮らしてるみたいだった」とはおとなりさんの言葉。

 そんな中、住民は連帯し、大家さんや建設会社との話し合いや慰謝料の交渉が始まった。現在も慰謝料の交渉は続いている。つまり戦いの最中に私たちは問題の新設部分に引っ越してきたのだ。

 ここの人たちは自らの生活を防衛するために戦いのさなかにいる人たちだった。

 それでも私たち一家(かなり微妙な立場だ)を歓迎し、今日は5家族の奥さんが夕方うちに遊びにきてくれた。そして戦いの話を面白おかしく話してくれた。

 主婦も悪くない。

 そう思う秋の夕暮れ。




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