■2003/02/23 (日) 今日、本屋で見かけて買ってきたのは、ジョン・ハウの『指輪物語の世界』という本。 映画にアラン・リーとともに、コンセプチュアルデザイナーとして参加したジョンの これまでのイラストをたくさん集めた画集。 指輪関連だけでなく、彼がこれまで手がけた他の本からも作品がたくさん掲載されている。 きれいな印刷だけれど、絵のサイズはあまり大きくないのでちょっともの足りないかも。 でも、これをフルサイズの画集にしたら、値段も大きさもこれくらいじゃ済まなくなるのかな。
ジョンハウのイラストは、まるで写真で撮ったかのように、ある瞬間を切り取る事に長けている。 そして、精緻に描かれた鎧や甲冑や竜やお城は、読者の想像力を妨げない。 不思議な事だけれど、妨げないどころか想像力はもっとかきたてられるような気がする。 ジョンハウの気配はあまりしないのだが、どの絵もジョン・ハウにしか描けない絵だ。
クノップフの『見捨てられた町』にインスパイアされた小説につけた挿絵もあった。 「こんなに物語をつけたいと思わせる絵はない」と、ジョン・ハウは書いている。 私はこの絵が好きで、展覧会が東京に来た時に買ったポスターを、 何年も部屋に飾っていた。絵としてのバランスは良くないが、とても惹かれる絵だった。 同じ絵が好きだと知って、ちょっとうれしかった。 もう一つ、ジョンハウの祖母が描いたという、シヨン城のスケッチを見て 小さい頃家にあって、いつも見ていた画集のシヨン城の絵を思い出した。 作者は誰か忘れてしまった。もしかしたらクールベか? クールベも好きだ。波の荒い海の絵とか。 きっとジョン・ハウもクールベは好きだろうと想像したりする。
ピータージャクソン、イアン・マッケラン、アラン・リーが文章を寄せている。 アン・マキャフリーなど本の表紙を描いた作家の文章もいくつか。 『琥珀の望遠鏡』の表紙は、二種類も描いたのに他の人のイラストになってしまったのだそうだ。
☆ジョンハウのイラストを見る。
353-Tolkien Graphics of John Howe--Images 1-10 on Gandolf dot Com http://www.gandolf.com/graphics/tolkien/howe.shtml
エオウィンとナズグルのイラストがすごい。 これが映像で見ることができると思うと『王の帰還』が待ち遠しいです。
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