オレ様日記
頑張ろう東北!



流れ星

2004年12月14日(火)


あの時、星がふたつ流れるのを見た。
きん、と冷えた夜で しんしんと冷えた夜で。
立ち止まった鼻先がくしゅくしゅで痛いくらい。




ひとつめは妹ちゃんの車で病院からの帰り道。
ふたつめは一恵ちゃんと二人、コンビニへ向かう道で
夜中だってのにウチまで来たんだよ、自転車で。
とりあえず今夜は飲もうかって事になって
普段ならこんな時間、明け方も近い午前4時なんて
それこそママ上に怒られてしまう所なのだろうけど
あの時は馬鹿兄貴が酒代をくれた気がする。
俺のも買って来いと言った。ビールだったか焼酎だったのかは忘れた。
ママ上は明日から忙しくなるからって、だからオレらで寝かせたのかな。
とにかく、眠くなるまで飲んでいようって考えだった気がする。
いや、眠らないつもりだったのかな、それも覚えてねぇや。
一恵ちゃん、次の日は仕事だったんじゃなかったっけ。
ただ、線香だけは絶やさないように気を使ってた。




あの流れ星が ふたご座流星群の余波だったってのは
ずいぶん経ってから気付いた気がする。
もしかしたら翌年には気付いたのかもしれないけど。
ただ、とっくに20代後半過ぎまくってた女だってのに
星が流れる=死んだ人の魂かな、だなんて
そんな事を思ったのかそれとも口に出したのか
とにかくあの流れた星とついさっきまで生きてた親父を
ロマンティシズム溢れる思いで見ていたようないなかったような。
すべてが何らかの意味ある事のように思えて仕方なかった夜。




親父がいない事実は空気よりも当たり前に日常に溶け込んでいて
だからこそ普段は思い出す行為すら忘れがちな毎日だけれども
こんなふうに1枚のFAXで急激にあの日へ呼び戻される。
簡単な近況報告の中に 今日はお父さんの命日です、と
発信元ママ上のFAX用紙が言葉少なに語っている。
うん、あの日 人目もはばからず泣けば良かったと今更ながら思うよ。




オレの血や肉や細胞の全ての半分は親父のもので
だからこんなにいつまでもいつまでも愛しい。
見えるとか見えないとか側に居るとか側に居ないとかどうでもいい。
何よりも強く見守られてる事を 大丈夫、口で言うよりわかってる。




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