【復活!】ダイエットなDIARY
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2002年05月14日(火) 発見


なんと猫が帰ってきたっ!!!











正確に言うと、連れ戻してきたのである。


どこにいたかというと、約80メートルほど離れたところにある空家にいた。


その空家の、屋根と玄関のひさしの間にいたのだ。


十数センチの間隙にいた。








何かに追いかけられ、夢中で上ったはいいが、下りられなくなっていたらしい。


ひどくおびえている。


そこに丸5日間もひそんでいたのである。





チチチチ、と舌を鳴らしていつも猫を呼ぶ。

毎日のように、チチチチ、と舌を鳴らしながら猫を探し、家族で方々探したが、ぜんぜん見つからない。





その夜も、プレハブ書斎で仕事を終えた後、夜空に向かってチチチチとやっていた。





夜中の二時頃である。





その時、その音に応えるかのようにどこかで小さな猫の鳴き声を聞いたような気がしたのである。







気のせいだろうか?






しばらく耳を澄ます。







が、何も聞こえない。






気のせいだろうか。







もう一度チチチチとやる。










聞こえる。


どこかでか細い泣き声がする。





そこで、大型の懐中電灯を取り出し、それを映画で米軍がやるように、右手で頭の高さに構えて声の元を探しに暗闇に歩き出した。






10分ほどかかって、やっと見つけた。



空家の屋根だ。



どうやら下りられないらしい。



しかもオレが上ろうにも、何も手がかりがない。




そこでいったん自宅へ戻り、家人を起こし、脚立を持って、再び空家へ。




時間が時間であるが、そして空家とはいえ他人の家に脚立をたてかけてのぼり、どうにか捕まえることができたのである。












「好奇心が猫を殺す」というが、野生を色濃く残した猫は、自分の好奇心のために命を落とす。


たとえそれでも猫としては本望なのであろう。


これまでにも、何度も猫との別れを経験していただけに、そういう諦観の念も持っている。


家族にも、捜し疲れて半ばあきらめの雰囲気が漂っていた。


家の中は、何かがぽっかりとなくなったかのように、なんとなく暗い。



しかも、いつ猫が帰ってきてもいいように、玄関のドアを24時間、猫が通れるぐらいに少し開けておく、という無用心な家になっている(笑)。












しかし、今回は、死んでいるような気がしなかった。


どこかで生きているような気がしていたのだ。



それには理由があった。



猫が、毎日、夢に出てきたからである。





オレは特に神秘主義者ではなく、かなり理性的な中年、ナイスミドル、いや若者、それとも青年、男であると思うが、「感応」ということは確かにあるものだと思った。


きっと、猫は毎日メッセージを送っていたのだろう。







眉村卓という作家の短編に「ピーや」というのがある。



飼い主が死に、その飼い主を思う猫の一念が強力で、飼い主が生き返ってしまうという話であるが、印象深く覚えていて、今回、その話を思い出した。








失踪した木曜日から、関東地方の気温はぐっと下がり、冷たい雨が降り続いていた。



屋根とひさしの間にひそんでいたのが幸いしたのであろう。


猫はキズひとつなく、無事戻ってきたのである。


ススとほこりで、ひどく薄汚れてしまってはいたが。








そしてひどくおびえていた。



一体何があったのだろう。





散々探しても見つからなかったのは、何かにおびえてそにひそみ、動かなかったからなのだろう。


発見した夜までは、泣き声も聞こえなかったのだ。











とりあえず、猫は5日間も飲まず食わずだった割には元気である。


やはりハラを空かせていて、餌をむさぼり食っていた。



絶食状態から急に食べ過ぎると危ないので、その夜は餌を少量しか与えなかった。




一夜明けた今日は、食べてひたすら寝ている。


体力の回復と精神的なダメージの回復をはかっているのである。










とりあえず、ひと段落である。




金曜日であったオレの原稿の締め切りは、もうとっくに過ぎている。


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