ニッキ ゆり 【HOME】
- 2004年02月07日(土)
朝4時までいつもの居酒屋。
外はまだ暗かった。
交差点まで歩いて、「おやすみー」と言ってそれぞれの家へ向かう。
冷たい空気の中を歩いていても背筋を伸ばして歩く。
気持ちがどんどん上を向いていくのがわかった。
本当のことを言ってもらえる事がうれしかった。
ワタシのことを「うらやましい」と言った友達。
ワタシにとっては「うらやましい」と思う部分がある友達。
そっか、ワタシも誰かにとっては「うらやましい」と思われる部分があるんだ。
ワタシらしくいることで、ワタシのいい部分は大きくなっていく。
「そんなに無理しなくていいんだよ」と言ってもらえたことで
少し無理していたワタシを許すことができた。
ワタシのキラキラはすぐそこにあったんだ。
気が付かないで踏み潰すところだったよ。
いつもより呑み過ぎたのに気持ちはスッキリしていた。
お化粧も落とさずにそのままベッドに入って眠った。
そうしたい気分だった。
昨日のお話。
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6時くらいにベッドに入ったからまだまだ眠っていたかった土曜日。
朝9時ごろ電話で起こされた。
何かを話したけど覚えていなくて、電話を切った直後、すぐに眠った。
待ち合わせの確認電話だったらしく
朝11時ごろ、また電話が鳴った。
その間にもメールが何件か着ていたけど、まったく気がつかないでいた。
寝たりないだるい体を無理やり起こして
いつもより熱いシャワーで体を温めて
ゆっくりと起こしていった。
体がだんだん温かくなって、ようやく目が覚めた。
パパパっと身支度を整えて、隣りの街まで電車に揺られてガッタンゴットン。
ワタシの街にはないスタバに行った。
店内でタバコが吸えないから、「寒い寒い」と言いながら外のテラス。
カフェモカのショートサイズとキャラメルドーナツを。
友達のガトーショコラも味見して。
少し遅い朝ごはん。
歩いていく人たちを眺めながらカフェモカを飲む。
のんびりした土曜日が始まった。
なんだかこういうのんびりした一日は久しぶりで
嬉しくて「ふふ」と笑ってしまった。
笑ったらカフェモカの生クリームが鼻について、また笑った。
雨を含んでいるような雲の間から太陽が顔をだした。
散歩したい気分になって、ワタシの街まで、歩く事にした。
電車で3分。歩くと30分。
来た道を逆戻り。
急な坂道の途中で休憩をして、のんびり歩く。
「海きれいだぁー」と言ったら
「タラちゃんみたいな言い方」と笑って言われて、2人で笑った。
1人では入りにくかった古着屋を2軒まわって
ひたすら歩いて話し続けて小腹が減って、寒かったのもあって近くのロイホへ。
ホットケーキを半分コして、ドリンクバーでコーヒーを。
たくさん話をした。
それはどうでもいい話ばっかりだった。
ワタシの家族の話や、姉の結婚式の話や友達の話。
話さなくてもいいことばかりがどんどんコトバになって出てきて
マシンガンのように話し続けた。
ゆっくりとした口調で、1人で呟いているような感じで。
ただ頷いて聞いてくれていることが、話し続けた理由だった。
でも、話したかった。
知ってもらっても知ってもらわなくても、どちらでもよかった。
ただ、コトバにして出したかった。
友達が今抱えている悩みを話してくれた。
ワタシは何も出来なかった。
助言することも出来なかったし、聞くだけしか出来なかった。
それなのにいつものように「無力な自分」を感じることはなかった。
コトバにすることで楽になる事がある。
ワタシがここに書き出すことで楽になることの様に
それと似たような感覚で、ただ、話すだけで、書くだけで
スーッと楽になることがある。
そういうことと同じだったんだと思う。
頷いて話を聞いてあげるだけでいい。
自分を許すかのように、ココロの中に沢山の余裕が出来始めてる。
シロップのたっぷりかかったホットケーキを食べたのに
何時間も話して話疲れてお腹がぺこぺこだった。
歩いて来た道を逆戻り。夕方の散歩。
お好み焼き屋さんに行って、久しぶりに鉄板の上で焼くお好み焼きを食べた。
タネを空気を含むようにゆっくり混ぜて
熱い鉄板の上に流し込むとジュワっと美味しそうな音をたてた。
たっぷりのソースとマヨネーズ。
かつおぶしを乗せるとやる気なさそうにゆらゆらと踊った。
美味しそうな匂いに包まれた出来たてのお好み焼きを
「熱い」といいながら食べた。
昨日も飲んだから今日は2杯だけ、と決めてサワーを注文。
でも、熱い鉄板を目の前にしていると
体がポカポカしてきて、思った以上に酔いが早く回ってしまった。
2種類のお好み焼きを食べて、壁によりかかってサワーを飲んで
指輪の話をしていた。
突然「今日映画!ロードオブザリング!!!」と言い出す友達。
すっかり忘れていた夜の映画。
ワタシも観たかったんだぁー、もうビデオだねぇ。途中からだし、と思っていたら
始まってそんなにたっていないこともあって
どうしても観たい気持ちが大きくなっていって
お腹もいっぱいだったから、友達の家へ行って観ることにした。
思った以上に真剣に見入ってしまって
CMが入るたびに「うー」とか「はぁー」とか会話の代わりに声が出た。
観終わってどうしても続きが観たくなってしまって
レンタルビデオ屋に行ったけど、貸し出し中の札があるだけで
全部なかった。
東京湾の見えるきれいな場所がある、と言うので
ドライブがてら連れて行ってもらった。
工場地帯で人もいなくて、真っ暗で静かで
突然鳴り出す携帯の着信音にびっくりした。
立ち入り禁止の堤防を上ってひたすら歩く。
空を見上げると満月とたくさんの星が見えた。
真っ暗だったから、小さな星まで良く見えた。
上を見上げていて、自然と口が開いてしまっていたらしく
間抜けな顔を見て友達が笑った。
笑い声が海いっぱいに広がっていく。
何も求めずに、ただ、同じ時間を過ごすことがこんなにステキだとは思わなかった。
のんびりした休日だけど、何かが違った。
それは昨日があったから。
ワタシを受け入れてあげることで、今日のワタシを大好きになれた。
なんでもない普通の今日だけど
どうしても書き記しておきたかった。
話すこと、話を聞くことにとても夢中すぎて
メールの返信も忘れていた。
話している間に返信をするのが嫌だし、そうされることも苦手。
明日はメールの返信をしよう。
ひとつひとつ、ゆっくりと返信をしていこう。
いつもと同じようでどこかが違う土曜日。
充実しすぎていて眠るのが惜しいくらいだった。
知ってもらおうとして話をしたわけじゃないのに
家まで送ってもらう車中で
「お互いにいろんなこと知ったね。なんか面白いね」と言われて
何気ない会話が人と人との距離を縮めるんだと知った。
今まで自分がどれだけ「知ってもらおう」として話しているかが良くわかった。
自然でいられる、ワタシがワタシらしく居られる人と一緒にいることが
こんなにステキな一日を作り出すんだ。
昨日と今日。
繋がっているようで繋がっていなくて
でも実は繋がってる毎日。
眠って起きるまでの間にココロの中では何かが芽生えて育っていく。
見逃さないようにしていると、ワタシらしくいられる栄養になってくれる。
今日という日はもう戻ってこないから
ひとつひとつを忘れないように、書き記します。