国立を赤く染めろ - シンガポール - 2005年01月14日(金) タイガーカップ決勝戦第2戦を日曜日に控えた地元シンガポール ですが、結構盛り上がっているみたいです。 僕は2001年からシンガポール代表の記事をチョコチョコ 読んでいますが、今回が地元メディアを見る限り、一番サッカーで シンガポールが盛り上がっていると思います。 で、BBSにも書きましたが、結構なところでシンガポールの人が 「マレーシアカップを彷彿させるよ、うれしいねぇ」 みたいなことを言っておりまして、 うーむ、今はクールな感じのシンガポールだが、昔は熱かったのか? などなど思っておりました。 そんな中、シンガポールのメディアが結構興味深い記事を載せておりました ので、訳します。 ------- ■カランを真っ赤に染めようぜ、シンガポール! Let's colour Kallang red, Singapore 〜日曜日のタイガーカップ決勝に行く際は、赤い上着を着用しよう (カラン=本来は地区名。そこにあるシンガポール国立競技場の愛称でもある) By Yap Koon Hong - SPORTS EDITOR : The Straits Times(Singapore) さあ、日曜日の夜の国立競技場は、毎年8月9日の独立 記念日の時のように喜び楽しもうじゃないか。 もちろん、今度の日曜日は独立記念日じゃない。 でも、今度の日曜日は、スポーツの世界で長く苦難の道を 歩んできたシンガポールにとって、我々のサッカーの未来を 変えうる20人の選手達をサポートする、またとない機会だ。 さて、僕らは彼らをどうサポートすべきなんだろう? まずは僕らの力の限りの声を上げて、国立競技場を声援に 満ち溢れた場所にしようじゃないか。 これはチケット売り場を通過してからでも出来ることだ。 次に、カランにシンガポールの赤色の海を作ってうならせよう。 赤は幸運の色だし、スタジアム1面が赤色で染まると言うのは、 我々の団結をピッチとベンチの選手達に表現することにもなる。 もし君がチケットを持って日曜日に決勝戦に行くなら、赤色の ものを身にまとおう。 なぜこんなことをするのかと言えば、2,3の理由が考えられる。 シンガポール代表が国際大会で決勝戦を最後にホームで 迎えたのはいつだった? 一度もない。 シンガポール人が代表チームのプライドを賭けた試合を観に、 カランにわざわざ行って、お金を払ったのはいつだった? もはや10年以上も前のことだ。 その時以来、僕らのシンガポールサッカーの運命は大きく 傾いてしまった。 僕らの多くはシンガポールサッカーは大したものなんかじゃ ないって考えてる。 そうだろ? この考え方には、理由がないわけじゃない。 この10年間というもの、僕らはマレーシアカップでのシンガポールの 栄光への感傷的な見方や、サッカーでの単純な悪役(コーズウェイベイ※を 超えてくるあらゆるチーム)から引き離されていた。 (※コーズウェイベイ=シンガポール・マレーシア間の国境。 ここでは、要はマレーシアのチーム) 僕らはそんな失ったものの代替物を、受け入れるしかなかった。 それはファンにとって、大体は愛国心や国民の義務なんかを 口実にした不当なものだった。 そしてシンガポール・リーグがスタートした。 その後ゴタゴタしながらもまだリーグはあるんだけど、 マレーシアカップ時代の時のような興奮はなかった。 その後結局僕らの前にぶら下がったのは、こんな高望みだった。 マレーシア人やマレーシアカップを忘れて、高く目標を持とう! シンガポールは、2010年にW杯本大会進出を目指す! でも、我がシンガポール代表がグズグズとモガき、何度も目標達成に つまづくのを見るにつれ、僕らの希望は砕かれていった。 そんなことがあったりしたけど、マレーシアカップを時々想い出しては、 それを慰めとしていた。 ワクワクする要因が去ってしまったその時、Sリーグはその代わり にはなれなかった。殺風景な光景を常に見せられる現実に僕らは 直面したんだ。 僕らは小さな目標に目を向けていて、国際的なレベルには決して 到達することが出来ないんじゃないかと考えてた。 そうこうしている間に、シンガポールのほとんどの世代は、ルパート・ マードックが広げたイングランドプレミアリーグと、その他世界中の サッカーが観られるケーブルTVにハイジャックされてしまった。 もちろん、一時的には盛り上がった時期もあった。98年、タイガーカップで シンガポールはホストのベトナムに1−0で破り、優勝した時だ。 (R.サシクマールがヘッドっぽかったけど、実は肩甲骨でゴールして ベトナムを下した試合だ) この勝利が間違いの始まりだった。ある意味あの”2002年の屈辱” を引き起こしたようなもんだ。 98年のメンバーが多数占めるシンガポール代表が2002年に 大敵・マレーシアに、カランで0−4で敗れてしまった。 僕らは自分を見失い、そして僕らのサッカー魂をもほとんど失った。 ほとんどだ。 ……でも、僕らは完全には失ったワケじゃない。 もし、シンガポール代表選手がトレーニングしているトア・パヨ・スタジアムに 2日ほど前に行ってたら、我がライオンズが本物だと感じると思う。 GKコーチのリー・ビーセンはたった1つの言葉で、第2戦を控えるチームの ムードを説明した 「アップ」 その一言を、チームのムードはどうか、という問いに対して彼は答えた。 「アップ」とは上向き、リラックスしている、でも自惚れていない、という ことだ(シンガポールは3−1で第1戦を勝利しているが、国際試合では そのアドバンテージはあまり意味をなさないと感じているからだ) そして、シンガポール代表を応援しなくちゃいけない最後の理由。 日曜日、カランを赤く染めよう。 そうすれば僕らはシンガポール代表へのプライドというものに気づくだろう。 それは本能で、疑いなく気づくはずだ。 すべてのシンガポール人は、代表チームの為に、そして 代表チームと共にある。 それは心のそこから、そして試合が始まってからおわる までずっとだ。 http://straitstimes.asia1.com.sg/sub/sports/story/0,5562,295368,00.html? ------- 内容が解説やニュース云々じゃなくて、一人のサッカーファンの ボヤキっぽいのが結構ツボでした。 シンガポールがマレーシア・カップに出てたというのは、結構 わかりずらいことなので、この辺を参照してくださいませ。 あと、シンガポール国立競技場(ナショナルスタジアム)の写真は ちょっとだけここの真ん中へん 普段はいがみ合うシンガポールとマレーシアだけど、実は結構 "気になるアイツ"状態だったのではないか。 まるで東アジアのどっかの国同士のようだ(笑) この記事を読んでいると、ある意味マレーシアカップから抜けた (94年以降)10年は、シンガポールサッカーの失われた10年、 なのかもしれませんね。 そう考えると、シンガポールのファンが掲示板でかなりシニカル なのもわかる気がします。 その10年の間で、みんなは応援の仕方とかを微妙に忘れている のかどうか知りませんが、スタジアムを一色にしよう、と協会すら 言っているのを見ると、W杯での東アジアのどっかの国同士の "応援"イメージがあるのかな、と思います。 あー、決勝はどっちにも勝ってほしいもんです。 (でも心は若干インドネシア寄りな俺) くっそー、でも、俺は単なる野次馬的な応援だしなー。 地域で各国民が燃えまくる大会があるのは、かなーりウラヤマシイな。 日本だと、まだまだサカヲタのもんだろうしな、東アジア選手権って。 どうでもいいですが、インドネシアもユニは赤でござる。 ...
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