10 minutes: 浦和レッズ史上最悪のアウェイ戦 - 香港 - 2003年10月16日(木) 最近、「日本にも東南アジアサッカーの資料はあるはずだッ!」 と、探してみると、60年代あたりのサッカーマガジンには 相当デカデカと載っているのであります。 まぁ、当時の実業団チームの東南アジア遠征の記事、萌え〜! とか見ておったわけですが、相当面白い記事があったのでご紹介。 --- プロローグ 時は1969年。 メキシコ五輪で日本代表が大活躍し、空前のサッカーブームが 日本に起こりました。 東洋工業(後のサンフレッチェ広島)が、JSL4連覇をなしとげ、 "ストップ・ザ・東洋工業"とばかりに、新興のクラブ、ヤンマー( 後のセレッソ大阪), や三菱重工(後の浦和レッズ)が頭角を出して きた、そんな時代であります。 後述の2チームはシーズンオフに更なる飛躍を目指し、東南アジア 遠征に出かけたのであります。 三菱重工はシンガポール-マレーシア-バンコクと3戦を行い、東南 アジアツアー最後の第4戦は、香港でありました。 その試合の模様をサッカーマガジン’69年5月号 「東南アジア遠征レポート」よりご紹介。 以下、抜粋(太字は当方で付けました) ----- …3月5日、香港で最終戦。1万2千人の観衆は、”かけ”を している関係もあって興奮気味。試合の中身もだいぶエキサイト していたようだ。 清水のパスから森が得点して、1−0で三菱の勝利となったが、 退場者もとびだした。三菱は清水主将、香港はFBのツァン。 このツァンは香港でも名うてのあばれん坊だそうで、しばしば ラフプレーをやった。 後半に入って香港ペナルティエリア内で倒れている森の頭部を けったり笛の鳴ったあとでもボールを森めがけてキックすると いう悪者ぶり。 これをみた清水がとめに入っていると、後ろから足をけとばす。 たまりかねた清水が胸ぐらをつかむと、シャツが破れ、審判は とうとう清水とツァンの二人に退場を命じてしまったという。 一方敗色こい試合にやけを起こした日本ゴール裏のカメラマン までがGK横山へどろをぶつけるいやがらせをはじめた。 横山が追いかけていくと大事な商売道具のカメラを置いて逃げ出す ザマで、三菱イレブンは 「いやはやとんでもないところです」。 …以下略 ----- まー、当時の香港は反日感情がどーたらという類いの記事は結構 目にしますが、カメラマンというのも中々めずらしい(笑) しかも、当時の書き方は妙に淡々としていて、ノホホン具合が程よい。 「森の頭部をけったり」 「どろをぶつけるいやがらせ」 と、”ひらがな”によって、ただのイタズラにしか読めん(笑) 実際は、もっとエゲツないことされたんだと思うが、妙に 微笑ましくなる。 その様子の写真がまたスバラシイ。 審判の困った顔が、とてもスバラシイ。 さらに、彼のさりげない手が、人柄を表していると思う。 コメントの「清水(左)もたまりかねて……」 の”……”も、とても好きだ。 この”……”は、 ”想い出の夏……”とか ”二度と戻れない……”とか ”何かを信じてこれたかなぁ……” などの、ちょっとセンチメンタルな気分にさせる”…”である。 このあと、ツァンと清水は、 「いがみ合った時もあった2人。 でも、そんな2人は、その後 草むらでクスぐりあって転げたのだった……」 という、後のエピソードすら想像してしまう。 書いた人、もしかしてスピッツ好きなのかも? というわけで、60年代の日本チームの遠征は大変だった& 当時のサッカーマガジンはスピッツ風だった、ということで。 ...
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